農業研究本部

ダイズ新品種「カリユタカ」の育成について

田中 義則、白井 和栄、冨田 謙一、砂田 喜輿志、土屋 武彦、故佐々木 紘一、湯本 節三、伊藤 武、紙谷 元一、酒井 真次

北海道立農試集報.65,29-43 (1993)

 ダイズ新品種「カリユタカ」は、北海道立十勝農業試験場において、難裂さや性で機械収穫適性の高い白目中粒品種の育成を目標として、白目大粒、良質の「ヒメユタカ」を母に、小粒だが難裂さや性で半無限伸育型の「C1ark Dt2」を父として1980年に人工交配を行い、以降選抜、固定を図ってきたものである。  1991年に農林水産省の新品種として認定されカリユタカ」(「だいず農林95号」)として命名、登録され、北海道の奨励品種となった。  本品種は、難裂さや性で最下着さや節位が高く、耐倒伏性に優れ、コンバイン収穫向きに育成された最初の品種である。成熟期は中生に属し、子実収量は「トヨムスメ」よりやや劣るが「キタコマチ」を上回り、子実は白目、中粒、良質である。ダイズ黒根病抵抗性は強であるが、ダイズシストセンチュウ、ダイズわい化病およびダイズ茎疫病に対する抵抗性はない。  適地は北海道の十勝、網走内陸および道央地域である。


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