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北見農業試験場

生産技術グループ(栽培環境)



オホーツク地域の主要な畑作物、野菜、飼料作物を対象に、環境への影響に配慮しながら高品質な農産物を持続的に生産するための土壌および施肥管理技術の開発を行っています。また、新しい肥料・土壌改良資材の実用化、基盤整備のための土壌調査にも取り組んでいます。

試験課題の概要

1) 低コスト・安定生産技術の開発に関する試験

土壌凍結深制御手法の高度化・理化学性改善技術への拡張と情報システムの社会実装(平成29~31年)

2)土壌凍結深制御手法による土壌理化学性改善効果の現地実証および技術体系化

土壌凍結深制御マニュアル 106mb

雪割りや雪踏みの適切な施工によって土壌凍結深を制御すると、野良イモ対策に加えて土壌理化学性改善と作物生産の向上が可能なことを、先行課題で未検討または検討例数の少ない畑作物(秋まき小麦、飼料用とうもろこし)を中心に、広汎な土壌・気象条件で検証・実証し、既往の知見(「土壌凍結深制御技術による畑地の生産性向上」、H30指導参考事項)と併せて本技術の体系化を図ります。

飼料用とうもろこしに対する窒素分施効果の変動要因の解明(平成29~31年)

飼料用とうもろこしに対し、安定生産および環境負荷低減を両立する技術を開発するために必要な知見として、窒素分施の効果を変動させる要因を解明します。

飼料用とうもろこしに対する塩化カリ肥料の施用効果(平成28~30年)

飼料用とうもろこしに対する塩化カリ肥料の施用効果を明らかにし、適切な施用方法を確立します。

気象変動に対応した高品質で安定生産可能な道産小麦の開発促進(平成28~30年)

3)栽培改善による生産および品質の安定化

(1)秋まき小麦「きたほなみ」の子実タンパク質含有率安定化のための気象情報対応型窒素施肥法

秋まき小麦「きたほなみ」の子実タンパク質含有率安定化のための気象情報対応型窒素施肥法を開発します。また、本法および既往の秋まき小麦の施肥法に関する成果を統合した施肥管理ツールを開発します。

2) 流域圏に関する研究

常呂川流域圏における人間活動と水・物質循環とのつながりの解明(平成29~31年)

常呂川流域圏における水・物質循環に関する情報提示に向けた、水、栄養塩類、土砂等の物質循環に関するモデルを作成するとともに、過去から現在までの流域圏サービスの変遷を把握し、人間活動と水・物質循環との相互関係を定性・定量的に分析します。農試はモデルに利用する各種データの収集、農業において要求される水量・水質の把握、将来の水量・水質の変化予測のための農業動向シナリオ設定を行います。


3) 作物診断に関する調査

生理障害診断試験

現場から持ち込まれた各種作物の養分欠乏等、様々な生育障害の原因を診断し、被害を最小限にとどめる方法を示しています。


生理障害の事例


4) 土壌機能増進対策試験および生産基盤・農村環境に関する調査

農地土壌炭素貯留等基礎調査事業(農地管理実態調査)(平成25~32年)

大気中の二酸化炭素濃度の増加による地球温暖化が懸念されています。土壌は大気中より多くの炭素を貯留してくれる一方、微生物による呼吸などで二酸化炭素を放出します。本調査は、農耕地における土壌炭素貯留量と営農管理による変動の把握を目的に全国規模で行われているものです。


土壌機能実態モニタリング調査(平成11年~ )

土壌の全国的な調査として1947年に開始された土壌保全事業があり、これまで土壌図の作成をはじめ、その時々の農業施策を支える基礎データを提供してきました。道総研はその基礎データを継承して、4年毎に同一地点で土壌調査を実施し、北海道の農耕地土壌の理化学性の実態と変化の方向を明らかにしています。


農業農村整備事業等に係る土壌調査(昭和40年~)

土地改良事業では、農業者等が「こういう作物を作って農業をやりたいので、こういうふうに土地改良をしてほしい」と国や道などに申請し、その申請を受けて事業計画が立てられて、工事が始められる仕組みになっています。道総研は、申請を受けた北海道からの依頼を受けて、道営土地改良事業の計画地区の土壌を調査・分析し、望ましい改良策を提示しています。また、今後の事業計画に役立てるために基盤整備実施後の土壌環境の変化を評価する調査の一部を担当しています。

5) 新農業資材の実用化試験

新しい肥料や土壌改良資材について、作物の生育・収量に対する効果を明らかにします。


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