豆類畑作グループ(大豆)
業務概要
北海道では約4万ヘクタールで大豆が栽培されており、各地域の気象条件に適した大豆品種の開発を担っています。また、品種開発に伴う基礎的な調査研究を、専門分野と連携して実施しています。
スタッフ
実施中の研究
育種目標
安定多収 | 高品質 | 機械収穫適性 |
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開花期の低温により裂開した大豆子実 | 大豆の人工授粉の様子 |
育種の流れ
年次 | 段階 | 内容 |
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1年目 | 交配 | 育種目標に合わせて交配を行います。年間約40組合せ。 |
2~3年目 | 集団交配 | 交配で得た種子を数年かけて増殖します。この間に両親から受け継いだ遺伝子構成が安定します(遺伝的な固定)。増殖した集団から個体の選抜を行い、次年度の系統とします。選抜項目は草型・倒伏程度・種子の外観品質等です。 年間約100,000個体を供試。 |
4年目 | 系統選抜 | 有望な系統を選抜します。主な選抜項目は成熟期・病気や倒伏の発生程度・種子の外観品質等です。年間約3,000~4,000系統を供試。 |
5年目 | 小規模生産力検定予備試験 | 選抜系統の収量性を確認します。生産物については内部成分の分析を行います。年間約400系統を供試。 |
6年目 | 生産力検定予備試験 | 選抜系統に「十系△△号」の名前をつけ、道内の各農業試験場で収量性や病害障害抵抗性等を評価します。有望な十系系統は豆腐加工適性試験を行います。年間数十系統を供試。 |
7年目以降 | 生産力検定試験 | 有望系統に「十育△△号」の名前(地方配付番号)をつけて道内の各農業試験場で詳しく生育調査し、新品種として適性を有するか明らかにします。十育2年目以降は、農業改良普及センターを通じて全道各地の現地圃場での試験も行い、より広域での適応性を確認します。また、実際に大豆を利用する実需メーカーにサンプルを提供し、加工適性を評価してもらっています。 |
約10年目 | 新品種誕生 | 十育系統の調査を3年以上行い、北海道農業試験会議(成績会議)と北海道優良品種認定審議会で優良性が認められたら、ようやく新品種誕生となります。 |
品種開発の効率化に関する研究
品種開発をより効率的に進めるため、道総研各農試との協力、あるいは大学や国研との共同研究で進めています。
- 窒素吸収特性に着目した多収要因解析と選抜利用
- 無人航空機(UAV)撮影画像の利用による生育調査の効率化
- 多収関連遺伝子の特定
- 低温年の裂開粒発生機作の解明
- 耐湿性向上に向けた遺伝子マーカーの活用
- ミツバチを利用した循環選抜
- 海外遺伝子の導入による多収化