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十勝農業試験場

豆類畑作グループ(大豆)

業務概要

北海道では約4万ヘクタールで大豆が栽培されており、各地域の気象条件に適した大豆品種の開発を担っています。また、品種開発に伴う基礎的な調査研究を、専門分野と連携して実施しています。

スタッフ

豆類畑作グループ(大豆)の職員
職名 氏名 担当
研究主幹 奥山 昌隆 グループの総括
主査(大豆) 小林 聡 大豆育種の総括
研究主任 萩原 誠司 大豆育種
研究職員 高橋 春南 大豆育種
研究職員 五十嵐 秀成 大豆育種

実施中の研究

育種目標

現在の育種目標一覧
安定多収 高品質 機械収穫適性
  • 収量性
  • 障害耐性:開花期耐冷性、耐湿性
  • 病害虫抵抗性:ダイズシストセンチュウ、わい化病
  • 加工適性:豆腐、煮豆、納豆等
  • 良食味
  • 外観品質:低温着色、低温裂開抵抗性、難裂莢性
  • 難裂莢性
  • 耐倒伏性
  • 着莢位置
裂開した大豆子実の写真 大豆の人工授粉の写真
開花期の低温により裂開した大豆子実 大豆の人工授粉の様子

育種の流れ

育種の流れ
年次 段階 内容
1年目 交配 育種目標に合わせて交配を行います。年間約40組合せ。
2~3年目 集団交配 交配で得た種子を数年かけて増殖します。この間に両親から受け継いだ遺伝子構成が安定します(遺伝的な固定)。増殖した集団から個体の選抜を行い、次年度の系統とします。選抜項目は草型・倒伏程度・種子の外観品質等です。 年間約100,000個体を供試。
4年目 系統選抜 有望な系統を選抜します。主な選抜項目は成熟期・病気や倒伏の発生程度・種子の外観品質等です。年間約3,000~4,000系統を供試。
5年目 小規模生産力検定予備試験 選抜系統の収量性を確認します。生産物については内部成分の分析を行います。年間約400系統を供試。
6年目 生産力検定予備試験 選抜系統に「十系△△号」の名前をつけ、道内の各農業試験場で収量性や病害障害抵抗性等を評価します。有望な十系系統は豆腐加工適性試験を行います。年間数十系統を供試。
7年目以降 生産力検定試験 有望系統に「十育△△号」の名前(地方配付番号)をつけて道内の各農業試験場で詳しく生育調査し、新品種として適性を有するか明らかにします。十育2年目以降は、農業改良普及センターを通じて全道各地の現地圃場での試験も行い、より広域での適応性を確認します。また、実際に大豆を利用する実需メーカーにサンプルを提供し、加工適性を評価してもらっています。
約10年目 新品種誕生 十育系統の調査を3年以上行い、北海道農業試験会議(成績会議)と北海道優良品種認定審議会で優良性が認められたら、ようやく新品種誕生となります。

品種開発の効率化に関する研究

品種開発をより効率的に進めるため、道総研各農試との協力、あるいは大学や国研との共同研究で進めています。

  • 窒素吸収特性に着目した多収要因解析と選抜利用
  • 無人航空機(UAV)撮影画像の利用による生育調査の効率化
  • 多収関連遺伝子の特定
  • 低温年の裂開粒発生機作の解明
  • 耐湿性向上に向けた遺伝子マーカーの活用
  • ミツバチを利用した循環選抜
  • 海外遺伝子の導入による多収化

十勝農試で実施中の研究課題一覧

関連する技術情報