水産研究本部

アサリ:あさり漁業(はさみ採り)

アサリ

漁業の情報

漁業許可等の区分第一種共同漁業権漁業
主な操業地域釧路・根室管内
取材地釧路総合振興局管内厚岸町
漁場厚岸湖の湖口部周辺と火散布沼の水深1~2m
干出しない砂泥から砂れき質場
漁具はさみ
漁期厚岸湖:12~1月
火散布沼:12~2月
漁船規模船外機船(1~3トン程度)
出荷形態殻付き出荷

対象魚の情報

標準和名アサリ
英名Japanese little neck, short-neck clam
科目マルスダレガイ目マルスダレガイ科
学名Ruditapes philippinarum (A.Adams and Reeve)
俗名、地方名なし
混獲魚なし
道内主産地釧路・根室地方の内湾の干潟

漁業のすがた

道内一の生産量を誇る厚岸のアサリ。

その中でも独特の漁法である 「あさり挟み採り漁業」は、寒風吹きすさぶ中行われ、12月から1月の風物詩となっています。

同漁業は水深1~2m程度の干出しない漁場(干潮時でも海底が露出しない漁場)で行われる漁法で、全長4m前後の挟み採り漁具を海底に突き立てて砂ごとアサリを挟み、籠で選別して漁獲する、かなり体力とコツのいる漁業です。

漁獲サイズは殻長40ミリメートル以上で、大粒のアサリを対象とします。

増殖と管理

現在、あさり挟み採り漁業を行っているのは23戸です。

平成4年以前は100戸以上あったのがここまで減少したのは、ヒトデが異常繁殖し、その食害で資源が激減したためです。 このため、平成6年に同漁業を行うことができなくなりました。

そこで、あさりはさみ漁業班では漁場回復を図るために、川砂撒布による漁場造成と移殖放流及びスターモップによるヒトデ駆除を継続して実施した結果、平成9年には漁業が再開されています。

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漁具・漁場

はさみ1:このはさみは全長約4メートルですが、柄の長さの異なるものを使い分ける人もいます。 柄の素材は木製で爪は車のスプリングを使用しています。 はさみ一台当たりの制作費はおよそ7~8万円で、耐用年数は20年程度あります。

はさみ2:アサリを挟んでつかむ、はさみの先端部です。

はさみ3:はさみの全景です。

漁場:厚岸大橋のたもとが漁場です。

操業

操業1:海底にはさみの先端部を突き刺しアサリを挟みます。体力とコツが必要です。

操業2:砂ごと船上に挟み上げます。

操業3:籠で選別し、小さなアサリは海中へ戻します。

出荷

出荷:漁獲サイズは40ミリメートル以上で大粒のアサリを漁獲対象とします。

協力:釧路総合振興局管内/厚岸漁業協同組合 あさりはさみ漁業班
取材:釧路地区水産技術普及指導所 

最終更新日:2013年03月01日