水産研究本部

エゾアワビ:あわび養殖漁業

アワビ

漁業の情報

漁業許可等の区分第一種区画漁業権漁業
主な操業地域檜山振興局沿岸
取材地檜山振興局管内八雲町熊石(旧熊石町)、上ノ国町
漁場漁港内や入り江等の静穏域
漁具籠、浮体式生け簀、着底式生け簀
漁期周年
漁船規模和船(数トン)
出荷形態活出荷

対象魚の情報

標準和名エゾアワビ
英名ezo-abalone
科目古腹足上目ミミガイ科
学名Haliotis (Nordotis) discus hannai Ino
俗名、地方名アワビ
混獲魚なし
道内主産地日本海沿岸(檜山、後志、留萌、宗谷管内)、渡島の津軽海峡側

漁業のすがた

北海道であわび漁業が行われる時期は特定の時期に集中しているため、消費者サイドからは通年供給を望む声が強まっています。この要望に応えるため、養殖による生産供給を目指した取り組みが行われています。
 

増殖と管理

北海道は本州に比べて水温が低いため、殻長50ミリメートル以上の大型種苗で海中養殖を行うのが一般的です。適正に管理することで1~2年間で60ミリメートル以上に成長し、90%以上の生残が得られます。給餌間隔は水温により異なりますが、コンブなどの海藻類は1~2週間、人工餌料は3~5日の間隔で与えます。施設や籠の付着物の除去は選別・出荷作業などアワビを剥離したときに併せて行っています。

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養殖施設・種苗収容・給餌

アワビの養殖場:漁港内や入り江等の静穏域を利用して養殖します。

浮体式生け簀:鉄製の枠体にFRP製の底板を垂下し、周りに袋網がついた施設となっています。管理しやすいように小割りになったものもあります。

着底式生け簀:静穏域が無い地区では海底を利用します。時化等で流されないように周りはコンクリートブロックで固定されています。給餌に潜水が伴うので管理が大変です。

種苗収容1:みんなで協力し、種苗を素早く船に積み込みます。

種苗収容2:生け簀に収容するまで海水をかけて、種苗が弱らないようにします。

種苗収容3:浮き式生け簀は、あらかじめ底枠を揚げておきます

種苗収容4:種苗が弱らないように、素早く作業を行います。

種苗収容5:収容するアワビ種苗です。

種苗収容6:収容した種苗の活力を確認した後、ウインチを回して底枠を下げます。

給餌:餌料はコンブ等の海藻または人工餌料を与えます。(写真は給餌試験のときのものです)

出荷・調査

選別作業:出荷前の選別を行っているところです。1個ずつ、厳しく選別します。

出荷1:選別したアワビは陸上水槽で一時蓄養し、注文に応じて出荷します。

出荷2:アワビと海水で湿らせたウレタンマットをチャック付きのビニール袋に入れ、純酸素を詰めて密封します。

出荷3:調理用のレシピと保冷剤を同封し、梱包します。(出荷形態は、地区によって異なります)

成長調査:養殖アワビの成長状況を調査しているところです。 適正な給餌量の把握や計画的な出荷を行うために定期的に実施します。

協力:檜山振興局管内/ひやま漁業協同組合 熊石支所・同 あわびセンター・上ノ国町栽培漁業総合センター・八雲町(旧 熊石町)・上ノ国町
取材:檜山南部地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日