水産研究本部

シャコ:しゃこ刺し網漁業

シャコ

漁業の情報

漁業許可等の区分第二種共同漁業権漁業
主な操業地域石狩市厚田区、小樽市
取材地後志総合振興局管内小樽市
漁場水深10~30メートルの砂泥地、距岸100~300メートル前後
漁具しゃこ刺し網
網地はアミラン糸(目合は2.5寸(7.6センチメートル)~2.7寸(8.2センチメートル))
縮結(いせ)は浮子方55パーセント・沈子方60パーセント
漁期春漁4~6月、秋漁10~12月
漁船規模1.5トン~4.9トン
出荷形態茹で上げ殻付きシャコ(発泡スチロール深箱下氷5キログラム詰め)の他に、茹で上げ後に殻を剥いて冷凍した剥きシャコの出荷もある。

対象魚の情報

ケガニ

標準和名シャコ
英名mantis shrimp 、squilla
科目口脚目シャコ科
学名Oratosquilla oratoria (de Haan)
俗名、地方名ガサエビ、シャコエビ
混獲魚カレイ類、ソイ類、ホッケ、その他魚類
道内主産地北海道では石狩湾に限られる

漁業のすがた

 しゃこ刺し網漁業は、北海道では石狩湾特有の漁業です。4~6月(春漁)は産卵前の卵が熟した子持ちシャコを、10~12月(秋漁)は脱皮後のシャコをねらって行われます。
 漁業者はシャコの「海が時化て海底が濁った時に、一斉に巣穴から出て来て餌をとる」という習性を利用して、荒天の前に投網し天候がおさまってから揚網します。
 そのため、一般的な漁業とは逆に、漁期中に時化の日数が少ないと不漁となり漁獲量が減少するという、変わった特徴のある漁業といえます。
 シャコは死ぬと鮮度が落ちやすく、生きている間に茹でてしまわないと殻がむけにくくなることから、網外しは人手と素早さ・丁寧さ等の手先の技術を必要とします。
 また、漁業者が各自番屋で茹で上げて、オス・メスそれぞれS、M、Lのサイズ別に選別してから市場に出荷する(更に殻をむいてから出荷するむきシャコもある)、非常に手間のかかる漁業でもあります。
 石狩湾特産のシャコは、寿司の町「小樽」の代表的な「寿司ねた」として人気が高く、シャコを目当てに小樽を訪れるという観光客も少なくありません。
 

増殖と管理

 産卵期の7月を操業自粛期間とするなど、シャコの資源管理に対する意識は高まっていますが、目合の小さい刺網を用いるため、カレイ類等の有用魚類の小型魚の混獲が多く、資源の有効利用の観点からは問題が残ります。

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漁具

網さやめ:網さやめは、陸の重要な仕事です。

刺し網:籠に収められたしゃこ刺し網。

操業

揚網1:午前6時頃出航し、揚網開始。

揚網2:網にかかったシャコが、続々揚がってきます。

揚網3:沖では網ごと籠に収容します。

漁獲物:活きの良い獲れたてシャコです。

網はずし1:シャコは、生きたまま茹でないと殻がむけにくくなるので、網外しは人手と時間の勝負です

放網はずし2:網外しには熟練した技術を要します。脚が取れないよう素早く慎重に・・・。

漁獲物1:網から外されたシャコ。

漁獲物1:カレイ類、ソイ類、ホッケなどもかかります。

出荷状況

加工1:洗浄後、煮立った釜の中で一気に茹で上げます。

加工2:茹で上がり、味のポイントは企業秘密の塩かげん。

茹で上がり:石狩湾特産の茹でシャコ完成です、美味しそう!

選別:オス・メスそれぞれ体長、S「10センチメートル未満」、M「10センチメートル以上14センチメートル未満」、L「14センチメートル以上」に選別します。

製品:選別された「茹でシャコ」。

出荷姿:殻付きシャコは、発泡スチロール深箱下氷5キログラム詰めで出荷されます。

協力:後志総合振興局管内/小樽市漁業協同組合 網漁業部会
取材:後志北部地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日