水産研究本部

ノリ(スサビノリ):のり養殖漁業

ノリ

漁業の情報

漁業許可等の区分第一種区画漁業権漁業
主な操業地域釧路総合振興局管内厚岸町、オホーツク総合振興局管内佐呂間町
取材地釧路総合振興局管内厚岸町
漁場採苗は厚岸湖の水深2~3メートル、本育成は厚岸湾の水深4~5メートルの漁場で行われています。
漁具ノリ網の材質はナイロン、ビニロン、ポリエチレン等の合成繊維で、仕立ては長さ18.18メートル(10間)、巾1.21メートル(4尺)、網目30センチメートル(1尺)目合。耐用年数は5~10年程度。
漁期12月
漁船規模船外機船
出荷形態縦21センチメートル、横19センチメートルの乾燥ノリを100枚1束として紙ひもで結束し、36束を1箱として出荷します。(1束の重量は300グラム前後、水分量は15パーセント以下)

対象魚の情報

標準和名スサビノリ
英名nori 、 laver
科目ウシケノリ目ウシケノリ科
学名Porphyra yezoensis (Ueda)
俗名、地方名のり
混獲魚なし
道内主産地厚岸湖、サロマ湖

漁業のすがた

 昭和33年から始まった厚岸ののり養殖の養殖漁家は、全盛期には140軒を超えるほどありましたが、その後、全国での生産過剰と価格の暴落を受けて次々と廃業し、現在は1軒を残すのみとなっています。
 現在、のり養殖は種苗のほとんどを全国海苔貝類漁業協同組合連合会「略称:全のり」が生産する種を使って行っています。
 種はノリ胞子の元となる殻胞子をカキやホタテの殻の中に培養した状態のもので毎年8月に搬入します。陸上の施設で一時蓄養を行い、ネットに収容してのり網とともにズボ袋(専用の袋)に包んで厚岸湖内の漁場に2~3日浮かべます。ノリ胞子は殻から出てのり網に付着し採苗が完了します。採苗後ののり網は-20度の冷凍庫で約2ヵ月間保存した後の10月頃、本育成として厚岸湾ののり養殖漁場に張り込まれ12月には収穫となります。
 収穫以降は機械化が進んでおり、収穫には船上に設置した摘み取り機が、乾燥には加工場の全自動ノリすき機が使用され、早朝に摘み取られたノリは機械に流し込むと2時間ほどで見慣れた板状の乾ノリとなります。その乾ノリは1日で1万枚以上が生産され、近年の1枚当たりの単価は25円前後で推移しています。
 

増殖と管理

 厚岸漁業協同組合では昭和45年に独自の採苗施設を建設し厚岸産のノリを使った地場採苗にも取り組みましたが、10年程前からは他地区産の種を使って採苗を行っています。

写真で見る

漁船・機械

漁船:船上に設置した摘み取り機。

機械:加工場の全自動ノリすき機。

養殖の流れ

種苗:「全のり」から送付される種。(ホタテ殻内部に殻胞子が培養されています。)

蓄養:種は陸上施設で一時蓄養します。

採苗1:種をネットに収容します。

採苗2:ネットを採苗施設に固定します。

採苗3:ネットの上に、胞子を付着させるのり網を固定します。

採苗4:ネットとのり網をズボ袋で覆い、2~3日間そのままの状態を保ちます。

収穫1:収穫期ののり網です。

収穫2:摘み取り機でノリを収穫する。

製品化・出荷状況

製品化1:摘み採られた生ノリ。

製品化2:水洗機、調合機を経た後、成形してすだれに敷きます。

製品化3:すだれに敷いたまま乾燥機で水分を飛ばします。

選別:乾ノリを手作業で選別します。

梱包1:箱詰めされたノリ。

梱包2:袋詰めして出荷する状態のノリ。

協力:釧路総合振興局管内/厚岸漁業協同組合 のり養殖班
取材:釧路地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日