水産研究本部

フノリ(フクロフノリ):ふのり漁業

フノリ

漁業の情報

漁業許可等の区分第一種共同漁業権漁業
主な操業地域渡島、日高、十勝 振興局管内
取材地日高振興局管内様似町冬島地区
漁場潮間帯
漁具フノリの採取は手採り。その他、フノリを入れる籠など。
漁期1~6月
漁船規模なし
出荷形態生、乾燥

対象魚の情報

標準和名フクロフノリ
英名glue plant
科目スギノリ目フノリ科
学名Gloiopeltis furcata (Pastels et Ruprecht) J.Agardh
俗名、地方名フノリ
混獲魚なし
道内主産地全道

漁業のすがた

 ふのり漁業は1~6月までの干潮時に行われ、コンブ採取が始まる前の春の重要な漁業となっています。漁場は潮間帯磯場の最上部に形成されるため、老若男女を問わず行うことができます。漁法は手採りのため、漁具は採取したフノリを入れる背負い籠だけあればよいという比較的簡易なもので、経費の掛からない漁業です。
 漁期前半の1~3月は生フノリとして、4月以降は乾燥フノリとして出荷されており、道内のみならず本州でも消費されています。
 

増殖と管理

 毎年6月下旬から7月上旬に漁業者全員で漁場の雑海藻等を駆除し、フノリの胞子撒きを行って増殖に努めています。他に将来に向けてフノリの一番生えやすい場所、水深帯に石材等を並べて漁場を造り生産の増大を図っています。
 漁法はフノリの付着している面を壊さないように、そして成長途中にあるものを採ってしまわないために、手採りで行われています。また、漁業の管理として、干潮に合わせて出漁日と漁獲時間を決めて採取を行っています。

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操業

操業1:大潮の凪の日に部会一斉に漁獲を行います。

操業2:石の上面、側面にびっしりとフノリが生えています。

フクロフノリ:岩にはこのように生えています。着生面の黒い部分を”座”と言います。

摘み取り1:春とはいえ岩は冷たく、手はかじかみます。

摘み取り2:フノリは籠に摘み、運びます。

乾燥

乾燥1:フノリを重ならないようにシートの上に広げます。

乾燥2:天日で夕方まで乾燥します。

乾燥3:まんべんなく乾燥させるために、時々手返しを行います。

出荷

出荷1:乾燥されたフノリ。

出荷2:集荷日に漁協へフノリを運び、計量します。

出荷3:集荷場には順番待ちの行列ができます。

出荷4:集められたフノリは品質別にまとめられます。

増殖(磯掃除)

道具1:通称「ガリガリ君」。磯掃除に使う道具です。

道具2:先端は鋼を加工してあります。

磯掃除1:6月下旬に部会全員で磯掃除を行います。

磯掃除2:磯掃除。岩の雑物を除去し、着生面を出します。

磯掃除3:既存のフノリが生えている部分(座)を傷を付けないよう注意深く作業を行います。

協力:日高振興局管内/えりも漁業協同組合 冬島支所(旧 冬島漁業協同組合)
取材:日高地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日