水産研究本部

ホッキガイ:貝けた網漁業(ホッキガイ)

ホッキガイ

漁業の情報

漁業許可等の区分知事許可漁業
主な操業地域渡島、胆振、日高、十勝、釧路、根室、網走、宗谷、留萌、後志 振興局管内
取材地胆振総合振興局管内苫小牧市
漁場苫小牧市沖合い
漁具噴射式桁網(桁幅1.2メートル)、エンジン付高圧ポンプ、送水ホース、給水ホース
漁期1~4月、6~12月
漁船規模4~9トン
出荷形態活出荷

対象魚の情報

標準和名ウバガイ(ホッキガイ)
英名Japanese surf clam、Sakhalin surf clam
科目マルスダレイ目バカガイ科
学名Pseudocardium sachalinense (Schrenck)
俗名、地方名ホッキガイ、ホッキ
混獲魚バカガイ、サラガイ、アラスジサラガイ
道内主産地えりも岬以西およびえりも岬以東太平洋

漁業のすがた

 苫小牧の漁場は広く沖陸で1キロメートル、浜なりで28キロメートルです。そのため遠い漁場までは60分程度掛かります。操業は日の出とともに始まり、船尾側から船を固定するためにマンガンと呼ばれるけた網を投入します。
 マンガンに付けたロープを200メートル延ばして船首側から噴射式けた網を投入します。けた網には高圧ポンプから水が送られ、下向きに付いたノズルから噴射して砂を掘り起こします。ホッキガイは砂と一緒に掘り起こされ、その勢いで袋網にたまっていきます。船は後方に向かってマンガンに付けたロープをゆっくり巻き揚げながら進み、まず、噴射式けた網を揚げます。最後に後方のマンガンを揚げて一連の作業は終了です。
 漁獲した貝類は、種類・大きさ・色で選別し、市場へ出荷します。
 

増殖と管理

 檜山を除く全道各地の砂浜海域でほっきがいけた網漁業が行われています。胆振管内は漁獲量で全道一ですが、中でも苫小牧は群を抜いています。着業者も多いため部会も夏・冬と操業時期・漁場を区分しています。
 操業前に各部会が資源量調査を行い、結果に基づいて漁期間の漁獲許容量を決定します。資源量調査の他に稚貝の発生量調査も継続して行っています。ここ数年は稚貝の発生状況は少ないため、次の稚貝大量発生まで現在の資源を大事に利用し、生産を維持していくように心がけています。

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漁具

けた網1:噴射式けた網の全景です。(けた網は裏返しの状態です。)桁幅は1.2メートルあります。

けた網2:高圧ポンプから海水を送り込み、赤いノズルから水流を噴射し、砂を掘ります。

けた網3:さらに、爪で貝類が掘り起こされ、袋網に貯まる仕組みです。

操業

出港:まだ真っ暗な早朝3時に出港です。

操業準備:30分ほどで漁場に到着します。操業の準備です。

けた網投入1:船尾側から船を固定するためにマンガンと呼ばれるけた網を投入します。

けた網投入2:マンガンに付けたロープを200メートル延ばした後、船首側から噴射式けた網を投入します。

巻き上げ:ロープを巻き取りながら、噴射式けた網に高圧ポンプから水を送り、下向きに付いたノズルから噴射して砂を掘り起こします。

揚網1:マンガンのロープが全て巻き取られると、今度は噴射式けた網に付いているロープを取って、船上に引き揚げ ます。

揚網2:けた網部分が見えてきました。

揚網3:船上に取り込みます。

揚網4:けた網が揚がりました。ホッキはたくさん入っているでしょうか。

揚網5:いよいよ、けた網に取り付けられた袋網を引き揚げます。

揚網6:漁獲されたほっきがいを網から出します。

選別:選別を行いながら魚箱に詰めていきます。

調査

資源量調査1:部会員総出で資源調査を行っている様子です。

資源量調査2:今年の成長と貝の様子が気になります。

資源量調査3:調査地点別に入った数を数えたり大きさを測ったりと大忙しです。

資源量調査4:測定も手馴れた様子です。

協力:胆振総合振興局管内/苫小牧漁業協同組合 ほっきがい桁曳網漁業部会
取材:胆振地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日