水産研究本部

マガレイ:かれい刺し網漁業(マガレイ)

マガレイ

漁業の情報

漁業許可等の区分第二種共同漁業権漁業/知事許可漁業
主な操業地域ほぼ全道一円
取材地留萌振興局管内留萌市
漁場約7マイル~8マイル沖合の水深30メートル~60メートル
漁具刺し網
漁期3月中旬~6月中旬(最盛期4月)
漁船規模10トン未満
出荷形態鮮魚、活魚(発泡スチロール魚箱5キログラム詰め)

対象魚の情報

標準和名マガレイ
英名brown sole、small-mouthed sole
科目カレイ目カレイ科
学名Pleuronectes herzensteini (Jordan and Snyder)
俗名、地方名オタルマガレイ、マコガレイ、キマガレイ
混獲魚カレイ類、ホッケ
道内主産地日本海北部、オホ-ツク海、えりも岬~西太平洋

漁業のすがた

まがれい刺し網漁業は、沿岸から約7~8マイル沖合の水深30メートル~60メートルの海底に刺し網を設置して行います。漁期は例年3月中旬~6月中旬まで行われますが、4月が漁の最盛期です。この時期のマガレイは、産卵のため沖合から沿岸へ水深の浅い漁場に来遊し、産卵後は逆に沿岸から沖合へと移動するため、漁場も変わります。刺し網漁業は、長期にわたり操業ができることから漁家所得の要になっています。
しかし、近年では漁獲したマガレイの小型化や漁獲量の減少、魚価の低迷により刺し網での所得は減少傾向にあります。また、漁期中に、トドの来遊頭数が増え続け、網を破られたり漁獲物への被害が跡を絶たないなどの大きな問題もあります。このように、小平町から増毛町までの留萌南部地区では以前に比べて、漁業者は非常に厳しい漁家経営を強いられています。
浜では魚の付加価値の向上を図ることやトド被害を防ぐことが重要と考え、港と公設市場を利用した産直市の開催、強化繊維を使った強化網の開発を各関係機関と総合的に取り組んでいます。月1回開催する産直市には毎回数千人の方々が訪れ、地元で獲れた魚のPRと消費拡大を図ることができました。強化網の開発の方も、国や道と協力してある一定の成果が得られました。厳しい現況下にある刺し網漁業者に少しずつ光明が見えはじめています。
日本海留萌管内沿岸の漁業者が漁獲したマガレイは、新鮮かつ安全・安心な北海道の魚として、全国の家庭の食卓に並んでいます。
 

増殖と管理

漁業者は小型の魚が網に掛からないよう、刺し網の目合いは3寸8分(11.5センチメートル)以上を使用し、資源の維持に努めています。現在では、マガレイに標識を装着して、回遊経路や未解明な生態などについて各関係機関と共に試験研究に取り組んでいます。

写真で見る

漁具・操業

出港準備:出港する前に、次の日のための網を船に積み込みます。

出港:留萌港を朝7時に出港します。

GPS:昨日設置した網の位置と自船の方向とをGPSで確認しながら航行します。

揚網1:操船中は進行方向や自船の周囲を注意して、仲間の船との衝突を防ぎます。

揚網2:網を海底から船上にネットホーラー(揚網機)で巻き揚げます。

籠に漁網を収容:次々と海底からマガレイが揚がってきます。網の巻き揚げには人力も必要です。

収容された網:漁場から流されないようにリモコンで操船しながら網を次々と巻き揚げます。

投網

魚群探知機:魚群探知機で海底の起伏や魚の蝟集状況を確認してから投網を行います。

投網:次回揚網する網を入れます。

漁場から帰港:帰港中です。急に押し寄せる荒波にも船長は注意しながら操船します。

出荷

荷揚げ1:大勢、かあさんたちが待つ岸壁に船を横着けします。

荷揚げ2:網入りの籠を船上からトラックに積み込み、作業場まで運搬します。

作業場の風景:大勢の人の手によって魚は網から外されます。作業場では女性が主役です。

網から魚を外す:魚外しは器用な手先とカギ針と呼ばれる道具を使って行われます。

カギ針:刺し網から魚を外すカギ針です。

魚種の選別:作業中は、マガレイと他の魚種との選別も行います。

規格別に選別:網から外したマガレイを大中小などの規格別に選別します。

重量計測:秤に乗せて、発泡スチロール箱で5キログラム詰めにします。

出荷形態:発泡スチロール箱に並べて出荷。

私たちがお届けします:私たちは、新鮮なマガレイを皆さんの食卓にお届けしています。

料理:パリッと新鮮!マガレイの唐揚げは浜の母さんの得意料理の一つです。

協力:留萌振興局管内/新星マリン漁業協同組合 たこ・刺し網部会
取材:留萌南部地区水産技術普及指導所

最終更新日:2013年03月01日