水産研究本部

マダラ:たらはえ縄漁業(キチジ・マダラ・スケトウダラ)

マダラ

漁業の情報

漁業許可等の区分知事許可漁業
主な操業地域根室振興局管内羅臼町地先
取材地根室振興局管内羅臼町
漁場漁場は羅臼町地先の距岸2~3キロメートル前後で、水深は200~250メートル、底質は砂泥や岩盤である。
漁具幹縄:ハイクレ岩糸23グラム、68メートル/1鉢、1鉢100枚(6,800メートル)
枝縄:ハイゼックス15号、長さ1メートル、40本/1鉢、1放し(建て)4,000本
釣針:12号
瀬縄:ハイゼックス38グラム
浮標:合成浮子(径80程度のソフトタイプ)
沈子他:1放し(建て)の両側に、自然石(10キログラム程度)と8キログラムアンカー、1鉢ごとに350グラム鉛沈子
漁期4~12月(主漁期9~12月)
漁船規模19トン型漁船、流氷下の操業のため鋼船である。
出荷形態マダラは魚箱に、スケトウダラは発泡スチロール箱に詰めて出荷する。

対象魚の情報

標準和名マダラ、スケトウダラ
英名マダラ:Pacific cod
スケトウダラ:walleye pollock、Alaska pollack
科目マダラ:タラ目タラ科
スケトウダラ:タラ目タラ科
学名マダラ:Gadus macrocephalus Tilesius
スケトウダラ:Theragra chalcogramma (Pallas)
俗名、地方名マダラ:タラ、ポンタラ(小型魚)
スケトウダラ:スケソウダラ、スケソ、スケトウ、ピンスケ(小型魚)、マゴスケ(小型魚)、ウマスケ(大型魚)
混獲魚キチジ、ホッケ、カジカ類
道内主産地マダラ:道内一円
スケトウダラ:道内一円

漁業のすがた

羅臼地先のはえ縄漁業は、9~12月はマダラ、スケトウダラが漁獲され、7~9月はこの他キチジ等も少量混獲される。  現在は4隻が操業しており、平成14年はマダラ35トン、スケトウダラ180トン、キチジ240キログラムの漁獲でした。
すけとうだら刺し網、すけとうだらはえ縄漁業と共に、スケトウダラが漁獲されており、かつては12万トンの漁獲があったが、資源状況の低下に伴い漁獲は減少し、近年は1万トンを下回る漁獲で推移しています。
操業は早朝から行われ、漁場へ近づくと餌の冷凍サンマの切断、針に餌をかけるなどの準備を行います。浮標、瀬縄の投入後、はえ縄は船尾甲板の左舷の窓から入れられます。通常は2放し(建て)のはえ縄が入れられます。
縄入れ後、一時間ほど時間をあけ、先に入れたはえ縄から揚げ縄を行います。船首甲板の開放部に取り付けられたラインホーラではえ縄は揚げられ、かかった魚は迅速に針から外されます。
マダラは魚箱で、スケトウダラは船上で選別後、発泡スチロール箱へ氷詰めし出荷されます。 
 

増殖と管理

羅臼地先でのスケトウダラは資源保護のため、その漁獲の大多数を占める刺し網漁業において、目合97ミリメートル以上の網目規制、自主減船の実施、禁漁区の設定を行っています。。
たらはえ縄漁業については、操業隻数や漁獲量が少ないこともあり規制は行っていません。
マダラについては、回遊経路を調べるため平成2年に標識放流を行なったことがあります。
キチジは北海道栽培漁業センター(現 道総研 栽培水産試験場)で、種苗生産に向けた基礎研究を行っており、それに向けた親魚の提供を行っています。

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漁具

この漁業で使われる針、枝縄、幹縄です。

縄はザルへ巻き取られ、船内へ収容されます。

漁業・漁獲の流れ

餌の準備1:漁場へ近づくと、餌の冷凍サンマは機械で切断されます。

餌の準備2:切断された冷凍サンマ。

縄入れ準備:縄入れに備えて針に餌のサンマがかけられます。

縄入れ1:浮標、瀬縄を投入後、餌をつけたはえ縄が船尾甲板の窓から投入されます。

縄入れ2:縄入れの窓の外からの写真です。

縄揚げ1:縄入れ後一時間程経ってから、縄揚げを行ます。浮標を取り入れている状況です。

縄揚げ2:瀬縄を揚げ終えると、はえ縄の巻揚げが行われます。

縄揚げ3:スケトウダラが釣り上ってくる様子です。

出荷状況

水揚げ収容:漁獲されたマダラです。

選別:漁獲されたスケトウダラは船上でサイズ分けされ発泡スチロール箱に氷詰されます

箱詰め1:発泡スチロール箱へ氷詰されたスケトウダラです。

箱詰め2:発泡スチロール箱へ氷詰された混獲のキチジです

荷揚げ:岸壁での荷揚げ作業です。

出荷:市場へ出荷されたスケトウダラの荷姿です。

協力:根室振興局管内/羅臼漁業協同組合
取材:根室地区水産技術普及指導所 標津支所

最終更新日:2013年03月01日