水産研究本部

試験研究は今 No.443「余市前浜の水温状況」(2001年2月23日)

余市前浜の水温状況

  寒い日が続き、北海道各地で港が結氷したため、漁業や海上交通に影響が出ています。

  石狩湾に面した余市前浜水温から、日本海の水温状況の推移を報告します。

  表に昨年11月から2001年2月中旬までの旬平均水温を示しました。昨年11月中旬以降、やや低いから異常に低い状況が続いています。特に昨年12月中旬と2001年2月中旬は異常に低いとなっており、12月中旬から1月中旬の間は、昨年と比べると-2.5から-2.9度と低くなっています。2月中旬の3.7度は、1985年の3.8度以来の低温となっています。この低水温の分布状況ですが、幸運なことに寒気がゆるんだ2月22日に好天に恵まれ、マリンネットから衛星画像を得ることができました。これを図に示します。石狩湾沖合積丹半島北部海域が5度となっており、そこから石狩湾奥部に向かって表面水温が下がっており、約2度の低水温域が湾奥部に見られます。この低温域は石狩湾から留萌沖、苫前沖と水深の浅い沿岸に沿って北に広がっています。

  陸上の人間にとっては厳しい寒さですが、この寒さは、海にとっては深層の栄養塩を表層へ運ぶ重要な働きがあります。今春のコンブの成長やニシンの来遊につながることを期待します。

(北海道立中央水産試験場 海洋環境部)
    • 表1
    • 図1