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中央水産試験場

厚田村嶺泊のニシン産卵藻場

厚田村嶺泊のニシン産卵藻場

ニシンの産卵については、これまでにも多くの報告がありますが、それらは春ニシンと呼ばれた「北海道・サハリン系群」についてであり、現在調査を進めている地域性ニシンについてはあまり知見がありませんでした。 1997年から実際にどのような場所に産卵しているかを潜水や岸からの観察で調べてきましたが、1998年の春にやっと産卵場を見つけることができました。留萌支庁管内では臼谷、三泊の平磯と埋め立て予定地になっている留萌港内塩見、石狩支庁管内では厚田村嶺泊の平磯で、比較的浅い場所のスガモやフシスジモクに多くの卵が産みつけられていました。
今年の調査では、厚田村嶺泊で昨年とほぼ同じ場所が再び産卵場として使われていることが確認されました。多い所では約50万粒/平方メートルと、昨年観察された160万粒/平方メートルよりも少ない傾向にありましたが、発生段階の異なる卵が場所を異にして広い範囲に産みつけられていました。さらに、厚田漁港と古潭漁港の間で2カ所、さらに南側の望来でも潜水調査により新たな産卵場が確認されました。
このプロジェクト研究もあと2年を残すだけとなりました。ニシンが毎年産卵に来る場所が決まっていれば、その一帯を産卵場として保護していけばよいのですが、留萌で見られたように年によって場所が変わると簡単に結論を出すわけにはいきません。今後も産卵場探しを通して、どのような場所をニシンは産卵場とするのかを明らかにしたいと考えています。
    • ニシン産卵場調査風景
      写真1 厚田村嶺泊におけるニシン産卵場調査風景
    • 嶺泊産卵場の海底の様子
      写真2 嶺泊産卵場の海底の様子

      右の写真では多毛類の棲管がマット状に海底を覆っている様子が分かる

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