試験研究は今 No.13「 秋サケの白子の利用について」(1989年12月8日)

Q&Aは平成元年度水産試験研究プラザの質問からです。

Q&A 秋サケの白子は利用できないでしょうか?

  秋サケの白子は、漁期の始めの頃、鍋の材料として店頭で販売されていますが、このほか、最近では、ねり製品や粕みそ漬け、調味くん製品、焼き干しの試作品が作られています。また、白子から抽出した成分を原料として保存料や医薬品などが作られるようになってきました。今回は、そのうち、白子のねり製品としての利用方法と、その特殊な成分についてお話ししたいと思います。

  ねり製品(かまぼこ)についてですが、白子を使ったかまぼこと、一般の魚肉を使ったものとでは製造方法が違います。まず、白子には特有の血なまぐささがあるため、一昼夜、流水に晒し、この匂いを取り除かなければなりません。次に魚肉を使ったかまぼこでは、原料として生の状態のものを使いますが、白子の場合には生の状態では混ぜ合わせずらく、また、冷めた後の縮みが大きく、弾力性も弱いため、原料として加熱したものを使う必要があります。加熱の方法も、お湯で煮ると白子の薄膜が破れ中身が出てしまい歩留まりが悪くなるので、蒸すなど、方法を工夫する必要があります。しかし、白子100パーセントのかまぼこでは、弾力性があまりないので、すり身やサケ肉などを20~40パーセント配合することにより、弾力性に富んだ優れた品質にすることができます。

  次に特殊な成分についてですが、白子には、プロタミン(タンパク質の一種)とデオキシリボ核酸がそれぞれ5%含まれていますが、近年、この抽出技術が開発されたので利用できるようになりました。プロタミンは微生物を死滅させたり増殖を抑えたりする働きがあり、食品の保存料として、また生理的作用もあるため血液凝固剤などといった医薬品にも利用されています。また、デオキシリボ核酸は化粧品や抗ガン剤の原料として利用されています。現在、秋サケの白子は、仕分けに手間がかかるという理由から、その大部分が廃棄されていますが、その利用方法は次第に広がりつつあると言えるでしょう。
(釧路水試)

トピックス

「水産加工技術研修会」開催される

  11月21日、礼文町主催による「水産加工技術研修会」が開催されました。

  この研修会で稚内水試から水産加工技術の現況、サケやタコ、ニシン等地場の漁獲物を利用した加工技術などについての講演を行い、その後、出席者からウニ一夜漬けの製法やイクラ、助子などの長期保存方法などについて質疑が相次ぎ、熱心な討議が行われました。礼文町では、この研修会を足がかりとして、地元加工業の振興へ結びつくものと大きな期待をもっています。
(稚内水試)

前号の解答~シシャモの雄雌の見分け方について

  シシャモは分類上キュリウオ科に属する3年魚で、2年魚で河川に遡上して産卵後海に戻り、翌年には再び遡上して産卵に加わることが分かっています。さて、シシャモの雄と雌の違いですが、1年魚は外見ではほとんど見分けがつかず、研究者でも解剖し生殖器によって判断しています。外見で判断できるようになるのは性成熱が進んだ2、3年魚であり、雄は体色が黒くなること、尻ビレが大きくなることによって見分けることができます。
(釧路水試)

クロスワード・クイズ
タテのカギ
1.沿岸の岩礁に付着、繁殖した雑海藻や動物を取り除くこと。
2.非常に小さなものを拡大して見る装置です。
3.魚群が卵を産む場所へ広く回遊すること。
4.○○○○○o○当たり漁獲量」、C.P.U.Eのことです。
5.白く大きな根をもつ野菜の一種です。
8.「○o○宅」、人の住むための家のこと。
12.プロトゴニオラックス属による貝毒は「○○性」です。
15.「○○咲き」、花びらが幾重にも重なって咲きます。
16.「○○曲」、セレナーデのこと。
ヨコのカギ
1.大型の海藻が枯れ死し、岩面が石灰藻で覆われてしまいました。
3.Xマスにやってきます。
6.桁網のことです。
7.昔、ノリ養殖に木の枝を束ねて海底に建て込みました。
9.来訪の趣旨のこと。
10.「○○ンチ」、巻揚げ機のことです。
11.物事の基になる標準のこと。
13.動物の組織が、死後、それ自身に含まれている酵素の作用で分解すること。
14.医学に関する書物のことです。
16.何にも混ぜない、ただのお湯です。
17.栄養塩類が少なく、生物生産の低い湖です。
(答えは次号に掲載します)

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