農業研究本部

ジャガイモYウィルスの普通系統に対するモノクローナル抗体作製とELISAへの適用

野津あゆみ,佐々木純,堀田治邦

道総研農試集報.100,23-31 (2016)

ジャガイモYウイルス普通系統(PVY-O)に対するモノクローナル抗体(MAb)を作製した。道内で採取したPVY- Oの外被タンパク質(CP)を大腸菌で発現させてマウスに免疫し,得られた抗血清の力価が高いマウスを選定した。ハイブリドーマ細胞を作出し,培養細胞からPVY-O抗体産生クローンを得た。これをマウス腹腔に接種し,腹水からMAbを得た。MAbはPVY-Oを102,400倍希釈まで検出可能であったが,えそ系統(PVY-N)に対しても反応した。MAbから酵素標識抗体を作製し,これを用いたPTA(Plate trapped antigen)-ELISA直接法で簡易かつ迅速な検出法を確立した。本法を用いて道内で採取したジャガイモのウイルス症状株からPVY-Oの検出を試みた結果,1検体を除き13検体から検出できた。本抗体とPVY-N抗体を用いて道内で発生したPVYの両系統を検出できることを実証した。

全文(PDF)