農業研究本部

秋施肥マルチ栽培が土壌の理化学性とスイカの生産性に与える影響

坂口雅己,大橋優二

道総研農試集報.100,47-54 (2016)

秋季に施肥,耕起およびマルチ被覆を行い,翌年の春に定植する秋マルチ栽培が土壌の理化学性とスイカの生産性に与える影響を検討した。秋マルチ区は従来の春マルチ区と比べ初期生育が優り,窒素吸収量が高まる傾向にあった。この要因は,秋マルチの被覆により施肥や土壌由来の窒素が保持されることにより,定植時の土壌硝酸態窒素が高まったためと考えられた。また,秋マルチ栽培により砂質埴壌土では一果重および果実糖度が高まり,埴壌土と軽埴土では同等か高まる傾向にあった。秋マルチ栽培は生産性の優位に加え,春季の耕種作業が省略できる利点を持つ。これらのことから砂質埴壌土,埴壌土および軽埴土のいずれにおいても秋マルチ栽培の導入を推奨できる。


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