農業研究本部

水稲新品種「そらゆき」の育成

木下 雅文,尾﨑 洋人,其田 達也,田中 一生,平山 裕治,菅原 彰,藤井 はるか,柳原 哲司

道総研農試集報.101,21-32 (2017)

水稲新品種「そらゆき」は,北海道立総合研究機構中央農業試験場で育成され,収量性が高く業務用に適する中生の粳品種である。2006年に行った「上育455号」と「大地の星」との人工交配による雑種後代に由来し,2014年に北海道の優良品種に認定された。「きらら397」と対比した主な特性は以下の通りである。出穂期はやや早い“中生の早”で,成熟期はやや早い“中生の中”である。稈長,穂長は長い。穂数は類似し,一穂籾数は多く,草型は“偏穂数型”に属する。穂ばらみ期の障害型耐冷性は“強”と優り,いもち病抵抗性は,葉いもち圃場抵抗性が“強” ,穂いもち圃場抵抗性は“やや強”といずれも優る。玄米収量は明らかに優り「ななつぼし」にも優る。玄米品質は同等である。炊飯米の特性はほぼ同等で,外食等の業務用米適性が高い。本品種を「きらら397」に置き換えて普及させることにより,北海道米の安定生産と実需者への安定供給に貢献できる。


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