農業研究本部

足利和紀 他:チモシー新品種「なつちから」

チモシー新品種「なつちから」の育成

足利和紀、 藤井弘毅、 田中常喜、 玉置宏之、 佐藤公一、 吉澤晃、 鳥越昌隆、 下小路英男、 岩渕慶、 澤田嘉昭、 大塚博志、 嶋田徹

北海道立農試集報.96,1-14 (2012)

 チモシー「なつちから」は,1997年から2001年にかけて北海道立北見農業試験場(以下北見農業試験場,現:北海道立総合研究機構北見農業試験場)において,また2002年から2009年にかけて北見農業試験場とホクレン農業協同組合連合会との共同研究を経て育成された。2005年から2009年にかけて「北見25号」の系統名で各種の検定試験に供試し, 2010年に北海道優良品種に認定された。現在,「なつちから」の品種名で種苗法に基づく品種登録を申請中である。本品種は,28栄養系の相互交配による集団選抜法により育成された。本品種の最も重要な特性は,早晩性が早生で,従来の早生品種「ノサップ」と比べ耐倒伏性と混播適性に優れることである。また,収量は多く,斑点病抵抗性および採種性にも優れている。適応地域は北海道全域である。従来の早生品種より栽培管理がしやすいことから,良質粗飼料の生産性向上に大きく貢献できる。


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