農業研究本部

大宮知 他:小輪性LAユリ新品種「ピカリ」の育成

小輪性LAハイブリッドユリ新品種「ピカリ」の育成

大宮 知,玉掛秀人,生方雅男

道総研農試集報.98,25-32 (2014)

 ユリ「ピカリ」は胚珠-胚培養法を利用して,野生種チョウセンヒメユリの小輪性をシンテッポウユリ「ホワイトランサー」に導入した新タイプのLAハイブリッドユリ品種である。ロンギフローラムハイブリッドを用いた遠縁種間雑種であるLAハイブリッド品種において,実用品種として小輪性を導入した例は少なく新奇的な品種である。また切花特性の点においても,花形と草姿はシンテッポウユリの形態を持ちながら,鮮やかな花色と小輪性を有し,生育は旺盛で凍結貯蔵球を利用した栽培も容易である。さらに小球開花性に優れ,球周8~10cmの小球根での切花生産が可能であること,一年球の肥大性に優れるため多くの一年球を切花栽培用として利用できることなどから,切花生産における種苗費の低減とともに球根生産での省力・効率化も可能である。


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