農業研究本部

カボチャ疫病の発病株率および収穫前降水量に基づく被害解析

三澤 知央

道総研農試集報.99,97-105 (2015)

 2006~2011年に北海道森町のカボチャ栽培圃場で数種の薬剤を1週間間隔で散布し,疫病の発病程度が異なる111試験区を設け,収穫前日の親づるの発病株率と収穫時収量の関係を解析した。両者の間には負の相関関係(相関係数:-0.918)が認められ,発病株率10%,50%,100%のときの減収率はそれぞれ9.1%,45.3%,90.6%と算出された。また,収穫果実を約2週間キュアリングし,発病果率を求め,収穫前降水量との関係を解析した。各年次におけるキュアリング期間中の発病果率は,0~32.0%であった。発病果率と収穫前4週間の降水量との間には正の相関関係が認められ,両者は以下の式で表すことができた;y=0.0003 x2+0.039x-1.946(y=キュアリング期間中の発病果率:%,x=収穫前4週間の降水量:mm)。すなわち,本病の減収要因である収穫時の減収率とキュアリング中の果実発病は収穫前日の発病株率と収穫前4週間の降水量から予測が可能であった。


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