農業研究本部

ばれいしょ新品種「スタークイーン」の育成について

千田 圭一、伊藤 武、池谷 聡、村上 紀夫、松永 浩、関口 建二、今 友親、三井 康、相場 聡

北海道立農試集報.78,1-18 (2000)

 ばれいしょ「スタークイーン」(ばれいしょ「根育31号」)は,1988年に北海道立根釧農業試験場馬鈴しょ科(1998年北見農試に移転)において,そうか病およびジャガイモシストセンチュウに抵抗性を有する品種の育成を目標に交配した,「Atlantic」×「Cherokee」の雑種後代から選抜された系統である。「根育31号」の地方番号で各種試験を重ねた結果,1999年に北海道の奨励品種として採用され,農林水産省により「スタークイーン」(ばれいしょ「農林40号」)として命名登録された。早晩性は中生,「男爵薯」より上いも数が少なく,上いも平均一個重が大きい個重型品種である。塊茎は扁球形,皮色は白黄,目はやや浅に属し,肉色は黄白である。「男爵薯」より中以上いも重が多く,でん粉価も高い。コロッケ,サラダなどに向く生食用品種である。そうか病抵抗性が既存の品種より強く,粉状そうか病にもやや強い。また,ジャガイモシストセンチュウ抵抗性である。普及対象地域は北海道一円(そうか病発生地帯)である。


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