農業研究本部

ダイズ新品種「いわいくろ」の育成について

白井 和栄、萩原 誠司、鴻坂 扶美子、番場 宏治、中村 茂樹、村田 吉平、鈴木 和織、高宮 泰宏、松川 勲、足立 大山

北海道立農試集報.78,39-58 (2000)

 「いわいくろ」は北海道立中央農業試験場で,極大粒,良質多収,ダイズわい化病抵抗性の黒大豆品種の育成を目標として,1986年に極大粒,良質の黒大豆「晩生光黒」を母,わい化病抵抗性の白目大粒系統「中育21号」を父として人工交配を行い,以降,系統育種法により育成した。1998年に北海道の奨励品種に採用されるとともに,農林水産省の新品種に認定され「いわいくろ」(だいず農林107号)として命名登録された。  本品種は極大粒,豊満良質な黒大豆で成熟期はほぼ「トカチクロ」並みに早熟な中生種で,わい化病抵抗性やや強である。規格内収量(道南の函黒規格,ふるい目9.1mm以上)は「中生光黒」より多い。煮豆加工適性はほぼ「晩生光黒」並みに優れている。適地は道央,道南,十勝地域及びこれに準ずる地帯で,道南の「晩生光黒」の一部,及び道央・道南・十勝の「中生光黒」,「トカチクロ」に置き換え普及奨励する。


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