春まき小麦新品種「春のあけぼの」の育成について
田引 正、天野 洋一、前野 眞司、柳沢 朗、尾関 幸男、佐々木 宏、土屋 俊雄 牧田 道夫 荒木 和哉
北海道立農試集報.79,13-24 (2000)
春まき小麦「春のあげぼの」は,1980年に北海道立北見農業試験場小麦育種指定試験地において、「北見春31号」/「北見春30号」のFlを母、「北見春34号」を父として交配した雑種後代から育成された。1994年1月,農林水産省に新品種「小麦農林139号」として登録され,「春のあけぼの」と命名され,北海道の奨励品種として採用された。本品種は「ハルユタカ」に比較して次の特性を有する。成熟期は3日程度遅く、桿長は同程度で、耐倒伏性も同程度に強い。収量性はやや劣る。うどんこ病抵抗性はやや劣るが、赤さび病抵抗性は同程度に優れ,赤かぴ病抵抗性もやや優れる。耐穂発芽性は優れ,外観品質も上回る。製粉性は同程度に優れ,粉灰分量,粉蛋白量ともに低い。製パン適性は優れる。栽培適地は道央中部・北部、道北地帯である。
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