農業研究本部

シュッコンカスミソウの品質向上をねらいとした栽培方式と水管理

鎌田 賢一、鈴木 亮子、印東 照彦

北海道立農試集報.80,1-10 (2001)

 シュッコンカスミソウでは,栽培時の土壌水分が多いと切り花重や切り花長などの生育量は増加するが,日持ち性は低下する。すなわち,栽培期間中の土壌水分含量の違いはカスミソウの品質に大きな影響を与えることが明らかとなった。したがって,日持ち性を向上させるためには排水不良ほ場は不適当である。このような圃場については,根圏域の水分コントロールが可能な隔離床,遮根シート栽培が有効であった。これらの栽培法では,開花枝展開期までの十分な灌水によって生育量をできるだけ確保し,その後の灌水抑制で日持ち性を向上させることができた。その場合の水管理として,定植期から開花枝展開期までは水を充分補充するためにpF2.0程度を灌水の開始点とし,開花枝展開期以降は採花期までpF3.0程度を灌水開始点とし,乾燥気味に管理する。1回の灌水量は5~10mmで調節する。この水管理は排水過良な圃場にも適用できる。


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