農業研究本部

水稲湛水直播栽培におけるレーザ均平機を用いた圃場均平化の必要性

竹内 晴信、関口 建二、北川 巌、竹中 秀行

北海道立農試集報.83,55-58 (2002)

 代かき作業が必要な湛水直播落水出芽法による水稲栽培圃場を対象とし,トラクタ直装式レーザ均平機による均平作業の必要条件を検討した。高低分布が偏在する大規模圃場では,作業能率が低く大きな運土仕事量を要したが充分な均平精度は得られなかった。小規模圃場では,比高の標準偏差(均平精度)が概ね6mm程度向上し,施工後においても均平精度の低下は見られなかった。水稲の苗立ち数は水深や比高の影響を受けず,比高±30mmの範囲内で概ね200本/㎡以上を確保した。このため苗立ち率低下を根拠とする均平精度の目標値設定は困難であり,代かきを前提とした本栽培法では乾田直播並の均平精度は必要ないと思われた。また比高±30mm以内,均平精度20mm以下の圃場では,水稲生育に顕著な影響は少ないので,不等沈下が少なく,水稲を連作している圃場では,レーザ均平の毎年施工は不要と判断した。


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