農業研究本部

アズキ新品種「とよみ大納言」の育成

藤田 正平、島田 尚典、村田 吉平、青山 聡、千葉 一美、松川 勲、南 忠

北海道立農試集報.84,25-36 (2003)

 「とよみ大納言」は,1992年に北海道立十勝農業試験場(農林水産省小豆育種指定試験地)で極大粒の「92089(F6)」を母,大粒,多収,アズキ落葉病,萎凋病抵抗性の「十系564号」を父として人工交配した雑種後代から育成され,2001年に北海道の奨励品種に採用されるとともに,農林水産省の新品種として認定され,「とよみ大納言」と命名登録された。本品種は,アズキ落葉病,萎凋病に抵抗性を持つ初めての極大粒種である。「ほくと大納言」より多収で,雨害による濃赤粒の発生が少ない。また,百粒重が「アカネダイナゴン」より30%以上重く,種皮色は淡赤で,外観品質に優れる。「とよみ大納言」を「アカネダイナゴン」,「ほくと大納言」の一部に置き換えて普及することで,大粒で良質な北海道産大納言小豆の安定供給に寄与できる。


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