農業研究本部

ネギの花芽分化に要する低温遭遇時間と最適温度の品種間差異

阿部 珠代、中住 晴彦

北海道立農試集報.86,11-17 (2004)

 ネギの花芽分化に必要な低温遭遇時間と最適温度の品種間差異について検討した。供試した11品種は,花芽分化に至る低温遭遇時間とその最適温度の違いから2タイプに分けた。「いさお」,「NS-9811」,「長悦」は花芽分化の最適温度が5℃と低く,低温遭遇時間が960時間でも花芽分化率は低かった(タイプ1)。その他の品種は5~7.5℃が最適温度であり,640時間以下の低温遭遇でも花芽分化が促進された(タイプ2)。ネギの簡易軟白栽培における冬~春どり作型では,5~15℃の気温に遭遇する機会が最も多かった。そのため,タイプ1のように花芽分化の最適温度が低く,遭遇時間を多く要する品種では,加温時期・温度の設定等で花芽分化時期を制御できると推測されたが,タイプ2の品種では花芽分化の制御が困難と考えられた。


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