農業研究本部

チモシー新品種「なつさかり」の育成

吉澤晃、下小路英男、古谷政道、藤井弘毅、佐藤公一、玉置宏之、鳥越昌隆、中住晴彦、川村公一

北海道立農試集報.88,37-47 (2005)

 チモシー「なつさかり」は,1988年から2003年にかけ北海道立北見農業試験場(農林水産省牧草育種指定試験地)で育成された。2001年から2003年に「北見22号」の系統名で各種の検定試験を行い,2004年3月チモシー北海道合第9号として北海道の優良品種に登録され,更に2004年7月チモシー農林合7号「なつさかり」として農林水産省に命名登録され,現在種苗法に基づく品種登録を申請中である。本品種は北海道立北見農業試験場育成の4品種・系統及び海外から導入した2品種に由来する9栄養系の組合せによる合成品種法により育成された。 本品種の最も重要な特性は,早晩性が晩生で,従来の晩生品種「ホクシュウ」より耐倒伏性と斑点病抵抗性が強いことである。収量はやや多く,混播適性がやや良好である。適応地域は北海道一円で,年間2回の採草利用に最も適し,1番草の収穫適期が最も遅い採草用品種として栽培することにより,良質で多収な粗飼料生産が可能となる。


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