農業研究本部

カボチャ疫病に対する薬剤の散布適量と保菌果実の出荷前選別法

三澤知央、萩田孝志、小林靖幸

北海道立農試集報.90,65-69 (2006)

 2004~2005年に,北海道渡島管内森町で品種「みやこ」を用いてカボチャ疫病の防除対策試験を実施した。本病は,ほ場においてつるなどに発生するほか,保菌果実は収穫後にも発病するため,それぞれの場面における対策を検討した。ほ場においては,薬剤散布水量100L/10aと200L/10aの防除効果を比較した。供試4ほ場すべてにおいて200L/10a散布区は100L/10a散布区より発病が少なく,発病株率を100L/10a散布区の1/3~3/4程度に抑えた。収穫後の対策としては,保菌果実を出荷前に発病させ除去するために必要なキュアリング期間について検討した。2ほ場より収穫した外観健全な果実1,114個中304個が発病し,全発病果実の99%にあたる301個が収穫14日後までに発病した。品種「みやこ」の食味低下時期を考慮すると,収穫後25℃前後で14日間キュアリングし,その間に発病した果実を除去し出荷することが,出荷後の果実発病軽減対策として有効であると考えられた。


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