農業研究本部

ダイズ茎疫病抵抗性の簡便な幼苗接種検定法および同法を用いたレースJ抵抗性の遺伝解析

田澤暁子

北海道立農試集報.93,35-40 (2009)

 ダイズ茎疫病はPhytophthora sojae (Kauffmann and Gerdemann)を病原とする土壌病害で、,転換畑などの排水不良圃場で多発する水媒伝染性の土壌病害で近年転換畑等で問題となっているある。病原菌であるPhytophthora sojae (Kauffmann and Gerdemann)はレースの分化が著しく、米国では55レース、北海道でも10レースが確認されている。本論文では、著者が新たに考案した簡便な幼苗接種検定法と、同法を用いたダイズ茎疫病レースJ抵抗性の遺伝解析について報告する。著者は、,本病害の研究において北海道で従来用いられてきた爪楊枝穿刺接種法より簡便な、,培地挿芽接種法を開発した。同法は出芽させたダイズ幼苗を根から切りとり、,その胚軸をシャーレ内の菌糸を含んだ培地に直接挿す接種方法であり、,判定の精度も高い。また同接種法を用いて、,「はや銀11」の持つレースJ抵抗性が優性の単一遺伝子支配であると推定した。


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