農業研究本部

ナガイモの催芽過程におけるヤマノイモ青かび病の発生要因と防除対策

清水基滋、鳥越昌隆

北海道立農試集報.93,57-60 (2009)

 催芽過程のナガイモを腐敗させる青かび病の発生要因と防除対策について検討した。異なる温度でキュアリングしたナガイモの切断面に青かび病菌を接種して腐敗状況を調べると,20℃ではキュアリング期間が長くなるにしたがって腐敗程度が軽くなったが,10℃および5℃では腐敗防止効果はほとんど認められなかった。しかし,本病は20~30℃で速やかに腐敗が進むため,キュアリング前の切断面に感染源を付着させないことが重要と考えられる。ナガイモ表皮に付着している土壌を,切断面に粉衣する石灰に混和すると,本病によるナガイモ切片の腐敗は増加する。またこの土壌を洗い落として切断すると,洗わない場合と比較してナガイモ切断面上の病斑数は大幅に減少した。これらのことから,ナガイモ表皮の付着土壌は本病の重要な感染源のひとつであり,これをキュアリング前の切断面に付着させない配慮が本病軽減のために重要であると考えられた。


全文(PDF)