農業研究本部

駒ケ岳火山灰地における畑地かんがいに関する土壌肥料的研究
第1報 かんがいによる土壌水分の動向と消費水量について

南 松雄、沢口 正利

北海道立農試集報.15,56-71 (1967)

 駒ケ岳火山灰地帯の旱ばつ対策研究の一環として、粗粒火山性土壌に対する畑地か んがいによる土壌水分の動向と消費水量について検討した結果、本土壌の土層別有効 水分は10~15%前後で保水力に乏しく、有効根群域内の水分保有量は40㎜程度 であり、また、表層の水分消費率はいちじるしく高く、根群域全体の80%以上に達 する。  燕麦の時期別消費水量としては7月中旬、大豆では8月中旬が最高で、そのときの日消費水量は8.2~10.2㎜である。  主要畑作物に対する効果的なかんがい時期は燕麦では出穂始、馬鈴薯および大豆は開花期前後であり、しかも、土壌水分消費量の面より、かんがい開始時期としては作 物根群域内の土壌有効水分が50%程度消費されたときがもっとも実用的である。


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