農業研究本部

北海道蛇紋岩質土壌の化学的特性に関する研究
第2報 土襲と植物中の亜鉛、銅、マンガンおよび鉄含有量の差異

水野 直治

北海道立農試集報.16,1-9 (1967)

 沖積土壌に比較し、蛇紋岩質洪積土壌の全ZnおよびCu含有量は高いが、0.2N- HCl抽出ZnおよびCuは逆に低く、特にCuは1/2にも満たない。この傾向は植物 の吸収濃度にも反映している。  植物のMn、Fe、CuおよびZn濃度は植物によって大きな差があり、また土壌 条件によっても変化する。しかし、それら金属間の比は植物別に一定の傾向がある。  MnとFeの吸収における拮抗関係は両者の含量が接近しているような物にみられ ても、両者間に大差のある場合は明瞭でない。FeとCuは類似した動きがみられ、 Fe含有量の高い植物はCu含有量も高い。大半の植物はZnよりもCu含有量が低いが、Feの含有量が1,000ppmをこす植物はおおむねZnよりもCu含有量が高い傾 向がある。Znの植物含有量は植物種類別、土壌条件の変化による高低偏差が最も少 ない。


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