農業研究本部

北海道における水田多年生雑草ヒルムシロの生態と防除に関する研究
第1報 北海道内におけるヒルムシロの地域的発生分布と発生条件

島崎 佳郎、竹川 昌和

北海道立農試集報.17,46-53 (1968)

 北海道のヒルムシロは11支庁に発生し、その水田面積は約12%に達した。その 地域性は南部が多く、中部がやや多く、北部が少ない。  発生水田の特徴は低水地温、水口、排水不良などであるが、例外も多い。その繁殖 は、灌漑溝からの種子流入、鱗茎*、地下茎などの機械的分断散乱などによる。被害 水稲の兆候は茎数と穂数の著しい減少、茎葉の淡色化などであり、推定減収量は約23 kg/10a、年間約4,000tonである。従来の防除法の効果は不十分である。 *「鱗茎」は「越冬芽」ともいわれ、北海道においては後者が多く使用される。


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