農業研究本部

稲品種の低温発芽性に関する育種学的研究
第3報 低温発芽性と農学的形質

佐々木 多喜雄

北海道立農試集報.19,8-20 (1969)

 道内の17~25品種を供試して、低温発芽性と主要農学的形質との表現型相関、 遺伝相関および環境相関について、湛水直播および移植条件下で2か年検討した。  低温発芽性と直播条件下の初期の草丈、本葉長および葉令指数との間に、比較的高 い正の遺伝相関が得られた。出穂期、茎数および穂数との間には負の、最終草丈との 間には正の相関が認められたが有意でなかった。収量との間には有意でないが正の相 関がえられた。これらから、低温発芽性が高く初期生育もおう盛で、早熟・耐冷・良質多収など、寒冷地における湛水直播栽培に適する特性を具備した品種育成の可能性が示された。


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