農業研究本部

菜豆における量的形質の遺伝

後木 利三

北海道立農試集報.5,54-57 (1960)

1.菜豆矮性品種常富長鶉と雉豆、そのF1、F2集団及び65のF3系統を用い、 16形質について遺伝力、9形質について表現型、遺伝子型及び環境相関を推定した。
2.開花期、成熟期、草丈、20粒重では比較的高い遺伝力が推定された。
3.収量形質についての遺伝力の推定値は小さかった。
4.開花期、成熟期、草丈等の相互間で、表現型及び遺伝子型相関は高く、これらと収量形質との相関は低かった。
5.平均1莢粒数とは総粒数との間にやや高い正の相関がえられたが、他の形質との 間にはほとんど有意な相関は認められず、粒大と他形質の間にもほとんど有意な相関はえられなかった。
6.この組合せについて熟期及び草丈と収量形質間の相関から初期世代で熟期や草丈について選抜しても収量形質には影響なく、大粒個体の選抜も他の形質にはほと んど影響ないと思われた。


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