農業研究本部

牧草乾燥促進機"ヘイコンディショナー"に関する試験 第1報

渡辺 隆、斎藤 亘

北海道立農試集報.6,11-21 (1960)

 設計試作にはじまり、室内実験、圃場試験を繰り返えし、試作改良の結果、ヘイコ ンディショナーは、時間的な乾燥促進効果も、飼料価値の保持の上にも満足すべき点が多い。これらの成績をもとに牧草処理費を計算すれば第7表に示すとおり、一般農 家の出費は10a当り231円、乾草4kg当り1円23銭で、飼料価値が向上するこ とより考えれば、きわめて経済的であることを知りえた。  今後さらに、地域別にあるいは各種の天候条件下における牧草乾燥促進効果につい て研究をすすめる必要があるが、とりあえず現在までの試験研究結果を報告し、酪農振興の一助としたい。  なお本試験実施にあたり協力いただいた帯広畜産大学教授大原久友氏、ならびに北 海道農機具工業株式会社帯広工場長富樫徹氏、技手村井信仁氏に厚く感謝の意を表し ます。  なお、第7表の計算基礎は次のとおりである。畜力用1頭引きヘイコンディショナ ーは、原価計算の結果、10万円以内で市販されうる。登載エンヂンは5万円。また、 酩農家(乾牧草生産面積2.5ha程度)3戸の共有利用、ha当り乾牧草7.5トン(反当 750kg)とした。登載エンジンはほかの動力としても使用できるので負担率を1/5 とした。ヘイコンディショナー使用による労働軽減量は1ha当り最低に見積って40 時間とした。


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