農業研究本部

根釧地方火山灰地における牧草地土壌の理化学的特性とその施肥法に関する試験
第5報 牧草地土壌としての特性発現過程と窒素、燐酸、加里の供給力について

早川 康夫、橋本 久夫

北海道立農試集報.7,16-34 (1961)

 根釧地方火山灰土壌牧草地から年次別に土壌を採取し、特性の推移を検討した。そ の結果 

1.耐水性粒団は増加していたが土壌の緊密化が著しかった。
2.年次の経過とともに土壌中の気相が低下し還元状態になった。
3.腐朽物質が酸化分解されずに堆積しこれに附随して窒素含量も上昇したが、無機 態化する窒素は少なかった。
4.牧草は2年目以降難溶性燐酸の利用能力が増大するが、特に固定燐酸の蓄積量の 多い経年畑ではこのことが著しい。
5.摩周統火山灰土壌は、火山ガラスの易溶性加里量は高かったが、重鉱物が極端に 乏しく加里補給に持続性がなかった。牧草は特に加里奪取量が多く土壌の置換性 加里のみでは到底みたし得ないものであった。


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