農業研究本部

栽培環境が作物の生育におよぼす影響
第1報 大麦の生育におよぼす影響

嶋山 鉀二、狩野 徳次、男沢 良吉、盛 時雄

北海道立農試集報.7,91-104 (1961)

 この試験は大麦の生産に対する各地の気象要因と、土壌の影響をみ、作物の地域適 応性検定ならびに種場問題の基礎資料とするにあるわけで、この調査によってすべて が解明し方向づけられたとは考えられない。いまはその傾向を把梶する程度とし、今 後さらに細部にわたって究明するあしがかりをえた程度とした。この調査によって次 のことが述べられる。 

1.気象と土壌双方が作物の生育を支配するが、気温はこの調査地域の範囲ではなる べく高いことが望ましい。
2.日照および降水量の分布がよく、ことに栄養生長期間は適度の土壌湿度の保たれ ることが望まし。
3.土壌条件としては肥沃度の高いことは当然必要であるが、瘠薄な土壌でも気象条 件が良好であれば土壌の不良条件をある程度克服することができる。
4.早春地温の低い地域はこの上昇につとめるベきである。


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