農業研究本部

蛇紋岩土壌における作物生育障害について
予報 土壌ならびに生育障害実態調査

増田 敏春、佐藤 亮八

北海道立農試集報.8,37-48 (1961)

 作物の生育障害は蛇紋岩土壌および泥炭土で蛇紋岩土壌の運積された所に発生して おり、頁岩土壌では発生していなかった。  蛇紋岩土壌が高く、置換性塩基も多く塩基飽和度は高かった。そして置換性石灰よ り苦度が多く、その比率は1.0以下であった。  土壌中のNiについては、酸可溶、置換性いずれのNiも普通土壌にくらべ多量に含有されており、全Niは酸可溶Niの10倍量以上含有されいた。Crについては全 Crは多いが、酸可溶、置換性のCrは微量であった。  作物のNi含有率は種類によって差があり、Ni含有率の高い作物で障害症状が顕著であった。また蛇紋岩土壌に生育した作物の石灰含有率は苦土にくらべ低く、その比率は1.0以下であった。燕麦ではその障害発生と石灰・苦土比に関連性が認められた。 作物のCr含有率は低く、Niにくらべ極く微量であった。


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