北海道におけるアカザモグリハナバエの生活史に関する研究
第2報 各態に対する温度の影響
奥 俊夫
北海道立農試集報.8,59-65 (1961)
札幌市においてアカザモグリハナバエの各態に対する温度の影響について実験を行 ない次の結果を得た。 1.成虫前各態の発育は、食餌植物による大きな差は認められず、発育と温度の関係 は15℃~25℃で積算温度の法則に適合し、次の理論値を得た。
卵 幼虫 蛹
発育臨界温度 7.2℃ 3.8 6.2
有効積算温度 38.5日度 54.6 244.4
産卵前期間は21~24℃で4~5日、19℃内外で6日であった。成虫生存期 間は平均室温20~23℃では約15~20日に達したが、温度の上昇につれて著し く短縮し、25℃をこえると6日以下の個体が多くなった。 2.以上の数値を用い、野外における半旬および月平均気温をもとにして各世代の経 過所要日数を算出した結果、実測値とよく一致したので、経過日数の増減に著し い影響のある6月以前の気温を知ることによって、その年の発生経過を推測する ことができると思われる。 3.北海道における夏期温度は各態の直接の死亡要因となり難いと思われ、一般に本 種の繁殖には好適と考えられるが、ことに年間に平均気温25℃をこえる日数の 非常に少ない道東、道北が好適と考えられる。
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