農業研究本部

鉄欠乏

微量要素の欠乏症状

症状の特徴

 1)新葉の葉脈間に明瞭なクロロシス(黄化症状)が確認される(写真25、26)。クロロシスは葉縁部から葉柄部へ向けて広がる。また、葉脈の緑色は残るため、葉全体は網目状に見える。

 2)新葉の生長がやや抑制されて小葉化の傾向も見られるが、株全体と根は健全であり、花房の伸長と果実の着果も確認される。

発生しやすい条件

 1)土壌pHが高い圃場やリン酸肥料を過剰施用した場合に発生しやすい。

 2)マンガン、銅、亜鉛などの重金属類の過剰により鉄欠乏が誘発されることがある。

マグネシウムの役割

 1)鉄はヘムタンパク質の構成成分であり、作物体内の物質代謝過程における酸化還元反応と関係している。

 2)葉緑体のリンタンパク質と結合しているため、欠乏するとクロロシスが現れる。鉄は体内移行性が低いため、その欠乏症状は新葉に現れるのが一般的である。

写真25 新葉の葉脈間に明瞭なクロロシスが現れる。
(11週目 -Fe8週目エッチエス-138)

写真26 新葉に葉脈間クロロシスの症状が現れる。
「エッチエス-138」と同様の症状
(13週目 -Fe11週目カレイニャ)

鉄欠乏の症状

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