ニッケル過剰
症状の特徴
1)新葉は展開時から明瞭な葉脈間のクロロシスを生じ、症状が進行すると葉脈のみ緑色を残すため葉身が網目状に見える(写真39)。クロロシスは葉身基部で激しい。生長が著しく抑制され、新葉は小葉化する。花房の伸長と着果は認められない。
2)クロロシスの中に赤褐色の斑点が認められる(写真40)。葉身はしおれるように内巻きになり枯死する。
3)ニッケルは植物の必須要素ではなく、欠乏障害はない。
発生しやすい条件
1)工場・鉱山からの排液による汚染と蛇紋岩質土壌地帯で土壌中のニッケル濃度が高い場合。道内における発生例は、上川地方の蛇紋岩を母材とした低地土でキャベツやダイコンにニッケル過剰の発生が報告されている。

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写真39 葉脈間にクロロシスを生じる。 |
写真40 クロロシス内に赤い斑点を生じる。 |
ニッケル過剰の症状