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道南農業試験場

平成13年度研究課題一覧

*更新 2001.5.21

実施課題一覧

重点領域特別研究

  1. イチゴの高設・長期どり栽培システムの実用化 [平13~15年、園芸環境科]
  2. 施設野菜土壌病害虫の無農薬防除法(土壌還元消毒法)の確立 [平13~14年、病虫科・園芸環境科]

稲作

  1. 水稲優良品種早期開発のための大型温室利用による世代促進 [平13~19年]
  2. 高品位米品種の早期開発(極良食味系統選抜、食味検定評価) [平13~19年]
  3. 直播用良食味品種の緊急開発(道央・道南向け直播品種の開発) [平11~16年]
  4. 水稲系統適応性検定試験 [平7年~継続]
  5. 水稲奨励品種決定(基本調査) [昭29年~継続]
  6. 水稲奨励品種決定(現地調査) [昭29年~継続]
  7. 新優良品種普及促進事業(水稲予備増殖) [昭42年~継続]
  8. 新農業資材の実用化試験(水田除草剤及び生育調節剤) [昭34年~継続]

畑作

  1. 大豆系統適応性検定試験 [昭32年~継続]
  2. 大豆奨励品種決定現地調査(基本調査) [平13年~継続]
  3. 大豆奨励品種決定現地調査(現地調査) [昭29年~継続]
  4. 小豆育成系統地域適応性検定試験 [平13年~継続]
  5. 小豆奨励品種決定調査 [昭46年~継続]
  6. ばれいしょ奨励品種決定現地調査 [昭50年~継続]
  7. ばれいしょ輸入品種等選定試験 [平2年~継続]
  8. とうもろこし奨励品種決定調査(現地調査) [昭53年~継続]
  9. とうもろこし(サイレ-ジ用)品種比較試験(現地試験) [昭55年~継続]

園芸

  1. イチゴ新品種育成試験(作期拡大に対応したイチゴ新品種の開発) [平10~19年]
  2. イチゴ地域適応性検定試験 [昭63~継続]
  3. イチゴの高設・長期どり栽培システムの実用化 [平13~15年、園芸環境科]
  4. 四季成り性いちご「エッチエス138」を用いた高設・夏秋どり栽培法の確立 [平13~15年]
  5. 新作型によるにらの高品質栽培技術の確立 [平12~16年]
  6. 道南地方における春秋期の温暖な気候を利用した花きの新作型開発(トルコギキョウ) [平9~12年]
  7. 駒ヶ岳火山灰地帯における園芸作物の導入と地域適応新作型による営農システムの構築 [平9~13年]
  8. 周年利用型ハウスにおけるゼロ・エミッション実現のための土壌診断法の策定 [平10~14年]
  9. 周年利用型ハウスにおける施用有機物の養分評価と施用基準設定 [平10~14年]
  10. 寒地ハウスにおける花き・野菜の栄養診断に基づく養液土耕栽培の確立(トマト)(迅速栄養診断法を活用した省資源型栽培技術の確立) [平13~15年]
  11. 水産系未利用資源の肥料化試験 [平10~14年]
  12. だいこんの根部加害性害虫(発生対応型防除技術の確立) [平13~15年]
  13. 施設野菜土壌病害虫の無農薬防除法(土壌還元消毒法)の確立 [平12~14年]
  14. 園芸作物用資材の実用化試験 [昭39~継続]
  15. 新農業資材の実用化試験(殺虫・殺菌剤) [45年~継続]

共通

  1. 化学的防除による生産性向上実証試験 [平11~15年]
  2. 薬剤耐性病害虫発現防止対策試験 [平11~15年]
  3. 突発病害虫及び生理障害診断 [昭50年~継続]
  4. モニタリング調査 [平10年~継続]
  5. 地力増進対策指針の策定 [昭60~継続]
  6. 草地開発基本調査 [平10~14年]
  7. 土地改良計画地区土壌調査 [昭40年~継続]

新たに取り組む研究課題

イチゴの高設・長期どり栽培システムの実用化 (園芸環境科)
いちごを立ったままで収穫できる「高設栽培」の実用化試験を行います。この試験では、培土を入れた発泡スチロ-ル製の魚箱にいちごを植え、その魚箱を高設栽培台の上に乗せて栽培管理する「魚箱方式」を検討します。魚箱に詰める培土の代わりとして、産業廃棄物であるスギの樹皮やトドマツの樹皮の粉砕物が使えないかどうかも検討します。
 この「魚箱方式」は、一季成り性品種と四季成り性品種のリレーによる春~秋までの長期どりが可能であることから、道南地域などの少雪温暖地域における普及をめざしています。
施設野菜土壌病害虫の無農薬防除法の確立(土壌還元消毒法) (病虫・園芸環境科)
 園芸作物は、連作する場合が多く、また多くの土壌病害虫によって栽培ができなくなる場合があります。そこで土壌消毒を行いますが、道南農試で開発した還元消毒は、フザリウム菌による土壌病害に高い効果を示す土壌消毒法で、人体に危険な薬物を使わないため、クリ-ンな技術です。
 この方法を様々な作物、病害虫に適用するために、処理方法やそれぞれの作物や病害虫に最適な条件を検討し、消毒方法を改良します。また、消毒後の微生物の変化、効果の持続性、病原菌の死滅作用の解析を行っていきます。
世代促進温室による水稲優良品種の早期開発 (作物科)
 作物の品種開発の期間を短縮するために1年に2~3回作付けし世代を進めることを、世代促進といいます。これまでの水稲の世代促進は、西南暖地(鹿児島県・沖縄県)を利用して行ってきましたが、今年度からは、道南農試に新設された大型世代促進温室で開始することになりました。
 これまでの試験栽培の結果から、播種期を早めることで年3回の作付けが可能であることがわかってきました。今年度は、上川農試及び中央農試から送られてきた合計103集団を供試しています。今後は、西南暖地ではなかなか効果が上がらなかった熟期選抜を実施することで、品種開発の効果を更に上げていく予定です。
高品位米品種の早期開発 (作物科)
 「コシヒカリ」をはじめとする、極良食味の高品位米に対する消費者の人気は、相変わらず高く、北海道米もより一層の食味向上が求められています。これに対して、府県産の高品位米に匹敵する品種を早期に開発することが必要です。
 この課題は、中央農試及び上川農試と共同で取組みます。道南農試は、先に紹介しました大型世促温室を利用して、品種開発の年数を短縮するとともに、道南地域向けの極良食味の中晩生種の系統選抜を実施します。また、極良食味系統を選抜するために、食味官能試験を実施するとともに、一度に多くの点数を試験できる少量炊飯法による食味検定も実施します。
四季成り性いちご「エッチエス138」を用いた高設・夏秋どり栽培法の確立 (園芸環境科)
 北海三共株式会社で開発された高設栽培システム「三共方式」での四季成り性いちご「エッチエス138」の栽培法について、北海三共社と共同研究します。
 この試験の目的は、四季成り性いちごの栄養生理面の解明と、収穫作業等の大幅な軽作業化をねらいとした「三共方式」の高設栽培法の検討です。この「三共方式」は、「魚箱方式」のような長期どりには不向きですが、資材費が安価で、水稲の育苗が終わったハウスへの導入が可能であることから、道央などの水田地帯での普及をめざしています。
だいこんの根部加害性害虫防除(発生対応型防除技術) (病虫科)
 だいこんの根部害虫は、古くはダイコンバエが主体でしたが、近年では、キスジトビハムシ・タネバエ・タマヤナガなどの被害も顕在化しています。根部害虫のうち、マルガタゴミムシ・キタネグサレセンチュウについては、多発条件を整理しつつ、薬剤処理あるいは対抗植物により被害を軽減できるようになりました。
 しかし、常発型の上記3種類については、現場では主に土壌施用粒剤により被害回避していますが、その施用法・時期・処理量は必ずしも適切でないようで、やり方によっては、防除に失敗したり、結果として過剰防除となっている例も見られます。
 この試験では、現行で使用可能な技術を組合わせ、地域に見合った合理的な防除法により、低コスト・減農薬栽培をめざすものです。
迅速栄養診断法を利用した省資源型栽培技術の確立(トマトの養液土耕栽培) (園芸環境科)
 ハウス栽培では、肥料をやりすぎると、余った肥料分が土壌に集積します。そうなると、トマトの場合、草勢管理が難しくなり、着果不良や障害果など収量・品質の低下が見られます。そのため、作物が必要とする分だけ肥料を与えることが大事です。
 養液土耕は、点滴チュ-ブを用いてかん水と施肥を同時に行う栽培法で、かん水と施肥が自動化されるなどの利点があります。養液土耕と栄養診断を用いることで、トマトの栄養生理に見合った肥培管理の確立をめざします。

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