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上川農業試験場

場長室過去記事:20251023冬がくるまえに

2025.10.23 冬がくるまえに

初雪がありました。業務車両には冬タイヤを装着しました。

水田や畑ではすでに今年の収穫を完了しました。

 

これで冬を迎える準備は完了したか、といえばそうではありません。

作物のことだけを考えると収穫がゴールで、そこまでで試合終了のように考えてしまいますが、収穫後のほ場では来年の栽培に向け、地味だけれども大事な作業があります。

 

収穫を終えた水田では、秋起こし(あきおこし)、畦塗り(あぜぬり)、溝切り(みぞきり)などの作業が行われました。

 

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秋起こし:作業の都合上、ワラの持ち出しを行わなかった田んぼでは、秋の比較的気温が高いうちにワラを土に混ぜ込みます

 

 

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畦塗り(あぜぬり):田んぼの畦(あぜ)を補修し、水が漏れにくいようにします

 

 

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溝切り(みぞきり):土の表面に溝をつけて、雪解け水が早くひくようにします。 特に、水はけの悪い田んぼでは必ず行うようにしています。

 

 

畑ほ場では、心土破砕(サブソイラ)やプラウ耕が、行われました。

 

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心土破砕(サブソイラ):ナイフ状の爪を土の深くまで入れて引き、土に亀裂を加えて水はけを良くします

 

 

プラウ耕:作土を反転して表面の有機物を地中にしっかり埋め込みます(写真は作業後の畑の状態です)

 

いずれも、来年あるいはそれ以降も水田や畑を良い状態に保つための作業です。

雪が積もってしまうと、こういったほ場作業が出来ません。また、当地域は根雪期間が120日以上あり、翌春の雪どけ後には作業を行う時間に余裕がもてない事情もあります。

このため、秋のこの時期、作業担当者からは、早め早めに段取りよく、という緊張感が伝わってきます。

 

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初雪と前後して、予定していた作業は無事に終えることができました

 

雪が積もる時期から逆算して計画を立てていますが、雨が続いて土が湿りすぎると作業が出来なくなります。この、天気に左右されながらも〆切に追われつづけるような心持ちは、北海道特有の緊張感といえるかもしれません。

 

 

さて、水田や畑の作業は冬支度と呼んでよいかと思いますが、その一方で、ビニールハウスでは、真冬に収穫する栽培体系でのレタスとコマツナの植え付けが行われています。こちらは、これから冬に向けて本格的な栽培シーズンとなります。

 

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レタスは真冬の12月下旬に収穫を予定しています

 

作物によって、違う時間が流れています。

 

 

 

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