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根釧農試 研究通信 第11号 2002年3月 |
採草・放牧兼用利用における
チモシー中生品種とシロクローバー品種の適正組み合わせ
1.背景・ねらい
この試験ではチモシー中生品種の利用拡大を図るため、これまで検討されていなかった採草・放牧兼用利用、すなわち1番草を採草利用、2番草以降の再生草を放牧利用する際の混播相手となるシロクローバー品種を決定し、さらに、兼用利用した場合のシロクローバー率や収量の推移を検討しました。
2.新技術の内容
チモシー中生品種を兼用利用する際の混播相手はシロクローバー小葉型品種が適当
シロクローバー率の推移を見ると、中葉型「ラモーナ」は気温が高かった2、3年目の2番草以降で非常に高くなり、放牧には適さないほどになりましたが、小葉型の「リベンデル」では10~20%で若干低めながらも安定的でした(図1、省略)
収穫適期はチモシー中生品種を取り入れると何日延びる?
左図(図、省略)はチモシー品種別の1番草TDN含有率の推移を示したものです。これをもとに収穫する牧草中TDNの目標を58%に置いた収穫期間を求めると表1のようになります(表、省略)
表1に示しましたように、中標津におけるチモシーの収穫適期は、早生のみでは8日から12日ですが、中生品種を導入すると5~6日は延長できることになります。晩生品種も導入するとさらに3日は延長できますが、気象条件によっては倒伏する恐れがあるため、その導入には注意が必要です。
中生品種の導入で牧草生産コストはどう変わる?
図3(図、省略)に公共牧場における牧草収穫体系モデル別に1番草牧草サイレージの生産費(試算値)を示しました。中生品種の導入効果が最も高いのは、作業能力が高い自走ハーベスタ体系で約10%のコスト削減が可能となりますが、ロールベール体系でも4%の削減が可能になります。
コスト削減もさることながら、牛にとっても、働く人々にとっても、栄養価の高い牧草をゆったりとした期間収穫できることが最大の効果です。
(省略した図)
図1 シロクローバ品種を異にするキリタップ+シロクローバ混播草地におけるシロクローバ率
図2 チモシー品種別の1番草TDN含有率の推移
図3 適期収穫時の1番草サイレージ生産費
表1 品種組合せにより適期刈りができる日数