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畜産試験場

平成14年度研究成果

平成14年度北海道農業試験会議(成績会議)畜産部会提出課題

畜産試験場関係

課題名 判定 成績の要約
黒毛和種種雄牛
北美津清号
普及奨励
優良種畜
本牛は気高系の「賢深」を父に、藤良系の「糸光」を母方祖父とする系統で、脂肪交雑3.2〈全国平均2.6〉は哺育能力の高い血統では全国でもトップクラスであり、道内繁殖雌牛の改良に適した種雄牛である。
黒毛和種種雄牛
「北乃桜号」
普及奨励
優良種畜
本牛は藤良系の「糸光」を父に、藤良系の「第7糸桜」を母方祖父とする哺育能力の高い系統で、脂肪交雑3.1と優れ、道内繁殖雌牛の改良に適した種雄牛である。
1頭あたりの飼槽幅確保による乳用種去勢牛の肥育成績向上 指導参考 乳用種去勢牛肥育の大規模経営2戸の事例調査から、1頭当たりの飼槽幅が広く確保された牛群では採食行動が制限されないこと、肥育成績〈日増体量、枝肉重量、肉質等級〉および枝肉販売価格が向上することが分かった。
鶏卵由来成分の免疫賦活機能およびアレルゲン性の評価方法と品種間差 研究参考 免疫賦活化機能はマクロファージ活性化反応によって評価できる。また、アレルゲン性は食物アレルギー性ラットの反応により評価した。鶏卵の免疫賦活機能およびアレルゲン性に品種間差が存在する可能性が示唆された。
SPF豚農場の清浄度維持技術 普及推進 SPF変換方法、種豚の導入方式、農場設備・防疫規制の徹底がSPF豚農場の清浄度維持のための重要管理点であることを明らかにし、これを基に、定期的な病原微生物の浸潤検査も加えた清浄度維持管理指針を提示した。また、高い清浄度の維持により高い生産性を追求し得ることを示した。
LAMP法による牛受精卵性判別キットの開発 普及奨励 新しい遺伝子増幅法であるLAMP法を利用して、簡易で迅速な牛受精卵の性判別技術を開発するとともにキット化を図り、その有効性を実証した。本キットは、63℃、35分でDNAが増幅され、濁度による簡易な検出が可能であった。この利用により、性判別に要する時間は、従来の約3時間から約1時間に短縮された。
アルファルファ草地の踏圧損傷とその軽減策 普及推進 アルファルファ草地に対する踏圧の影響を軽減するには、踏圧後のアルファルファの収量と割合からみて、開花期以前の刈取りと、刈取り後の速やかな収穫調製作業が重要である。再生芽発生時期との関係から刈取り時生育ステージ別の作業適期幅を示した。
高水分アルファルファサイレージの調製法と特性評価 普及推進 高水分アルファルファサイレージ調製における発酵品質の改善にはチモシーとの混播、蟻酸製剤および酵素・乳酸菌複合製剤の添加が有効であった。また、蟻酸製剤については乳牛の嗜好性の改善効果が認められた。高水分サイレージで発生する排汁は上記2製剤の添加により量が増加する。
陰イオン塩給与による乳牛の低カルシウム血症の予防 指導参考 分娩前にイオンバランス〈[Na+K]-[Cl+S]〉の高い飼料を給与すると低カルシウム血症の発生が増加する傾向にあった。また、飼料の変更によりイオンバランスの改善が難しい場合、乾乳後期に陰イオン製剤を全飼料中4.5%添加給与することにより、その発生率の低減が可能である。
第一胃内発酵特性を活かした乳牛へのアルファルファサイレージ給与法 指導参考 アルファルファサイレージ給与時に、第一胃内発酵性の異なる高エネルギー飼料を組み合わせて併給すると蛋白質利用性の向上が図られる。また、これを活かしたアルファルファサイレージ主体飼養により蛋白質飼料を節減しつつ高い乳量水準の維持が期待できる。
バガスおよびバガスと廃材チップ混合物の牛舎敷料および堆肥化副資材への利用 指導参考 バガスおよびバガスと廃材チップ混合物は、敷料として利用しても牛の行動や飼料摂取量に影響を与えなかった。牛ふんの堆肥化副資材とした場合、オガコや廃材チップを用いた場合より発酵温度が高まり減量化や水分率の低下が促がされ有効な資材である。
高水分固形状ふん尿の処理に適した排汁促進型堆肥舎 普及奨励 本施設でのふん尿の原物減少率は高く減量化がはかられた。切り返しによって水分蒸発量と排汁量が増加し、水分除去が進み、取扱い性が改善された。品温は上昇し、堆肥化が進む。堆肥舎区画の前面に前仕切りを設けることで、壁なしと比べて約3倍量のふん尿が堆積できた。