試験研究は今 No.8「ブナサケの加工方法について」(1989年10月20日)
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Q&A ブナザケの加工方法について教えてください。
ブナ化が極端に進むと、筋肉組織が溶けくずれているものもあるので、加工原料としては、肉質のしっかりしたものを選ぶことが必要です。
秋サケの加工品としては、塩蔵新巻、冷凍フィレーなどの一次加工品が圧倒的に多く、その他には、フレーク製品、油漬缶詰、くん製、トバ、ハム、漬物類(みそ漬、しょうゆ漬、かす漬)などがあります。
網走水試ではブナザケから「トバくん」「サーモンフレーク」「サーモンブロック」「シーチキンタイプ」などの製品を開発していますが、これらは比較的良質のブナザケを原料とした加工品です。 また、ブナ化の程度が強く、ほとんど商品とならないブナザケから豆腐のような食品(特許出願中)も開発しています。この新しい食品、サケ豆腐の加工法についてご紹介いたします。
- 原料は体色の変化が非常に強いものや、採卵採精したあとの利用価値の低いブナザケを使います。
- まず、これを皮を除いたフィレーにして、最初4.2ミリメートル、次に1.2ミリメートル目のチョッパーを通し微細肉(落し身)にします。チョッパーの目は小さいほど製品の仕上がりが良好です。
- この落し身の重さに対して、水を等量(あるいは0.5~2倍量)、食塩2パーセント、乳たん白質(脱脂粉乳)20パーセント、食用油(コーンサラダ油)15パーセント、生ミルク5パーセントを加え、乳化器に入れて、6000回転で2分間混合、乳化します。
- この乳化物を容器に詰め、85℃で60分間加熱凝固させたのち、流水で30分間冷却して製品となります。
また、この製造行程中にできる乳化物(クリーミーサーモン)は、加工用素材としても利用されており、現在、ハンペン風の食品が開発されています。
(網走水試紋別支場)
トピックス
北部日本海からオホーツク海におけるニシン漁況について
10月3日、札幌で開催された「平成元年度北海道周辺水域ニシン資源検討会」において、稚内水試からニシンの資源状態について発表されました。
【1:漁獲量について】
平成元年は6月までの集計結果であるが、昭和61年に6.5万トンを記録した漁獲量は、その後、年々減少し、平成元年は0.4万トンと昨年の漁獲量をも若干下回った。 漁業別にみると、沿岸漁業では網走支庁と石狩支庁の漁獲量が昨年を上回ったものの、漁獲の主体である宗谷支庁と留萌支庁が昨年の10分の1以下に減少し、また、後志支庁が4分の1に減少したため、全体では昨年の4分の1以下の168トンに留まった。
一方、沖合底びき網漁業では網走支庁が昨年の2,006トンから2,583トンに増加したが、宗谷支庁は2,013トンから1,552トン、留萌支庁が7トンから5トンに減少し、全体では4,026トンからも4,140トンと若干ではあるが増加した。この沖合底びき網の漁獲量の増加は、資源量の増加によるものではなく、今春オホーツク海の流氷がほとんど接岸しなかったため、冬期間も通して操業ができ、この期間にニシンを狙った操業を行ったためと考えられる。
【2:資源状態について】
漁獲量の推移からも明らかなように、昭和58年級の加入で増大したニシン資源も現在では減少してしまい、この年級が加入する以前の資源状態よりも悪い状態にあると考えられる。これは、一時的に資源が増大したために、この資源に対する漁獲努力が増大し漁獲量も増加したが、資源が減少してからも資源の減少に見合った形で漁獲努力が減少しなかったために、ニシン資源にとっては獲り過ぎ状態になったためと考えられる。
今後ニシン資源がどう変化するかは今のところ明らかでないが、次期加入資源となる小型のニシンの出現があまり見られないことから、当分は低水準で推移するものと考えられる。
【1:漁獲量について】
平成元年は6月までの集計結果であるが、昭和61年に6.5万トンを記録した漁獲量は、その後、年々減少し、平成元年は0.4万トンと昨年の漁獲量をも若干下回った。 漁業別にみると、沿岸漁業では網走支庁と石狩支庁の漁獲量が昨年を上回ったものの、漁獲の主体である宗谷支庁と留萌支庁が昨年の10分の1以下に減少し、また、後志支庁が4分の1に減少したため、全体では昨年の4分の1以下の168トンに留まった。
一方、沖合底びき網漁業では網走支庁が昨年の2,006トンから2,583トンに増加したが、宗谷支庁は2,013トンから1,552トン、留萌支庁が7トンから5トンに減少し、全体では4,026トンからも4,140トンと若干ではあるが増加した。この沖合底びき網の漁獲量の増加は、資源量の増加によるものではなく、今春オホーツク海の流氷がほとんど接岸しなかったため、冬期間も通して操業ができ、この期間にニシンを狙った操業を行ったためと考えられる。
【2:資源状態について】
漁獲量の推移からも明らかなように、昭和58年級の加入で増大したニシン資源も現在では減少してしまい、この年級が加入する以前の資源状態よりも悪い状態にあると考えられる。これは、一時的に資源が増大したために、この資源に対する漁獲努力が増大し漁獲量も増加したが、資源が減少してからも資源の減少に見合った形で漁獲努力が減少しなかったために、ニシン資源にとっては獲り過ぎ状態になったためと考えられる。
今後ニシン資源がどう変化するかは今のところ明らかでないが、次期加入資源となる小型のニシンの出現があまり見られないことから、当分は低水準で推移するものと考えられる。
(稚内水試)