試験研究は今 No.21「マイワシの資源状況について」(1990年2月23日)
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Q&A マイワシの資源状況について教えてください。
マイワシは、日本で最も水揚量の多い魚です。その漁獲量は全国で400万トン前後あり、日本の総漁獲量の約4割を占めています。また、本種は資源変動の大きな魚として有名で、その漁獲量は数十年周期で数千~数百万トンの幅で変動していますが、そのメカニズムについては完全に解明されていません。
1980年代はマイワシ資源の高水準期にあたりましたが、昨年から全国各地で漁況にかげりが見えてきました。
1980年代はマイワシ資源の高水準期にあたりましたが、昨年から全国各地で漁況にかげりが見えてきました。
では、ここで道東海域のマイワシまき網の漁況をもとに現在のマイワシ資源の状態について説明しましょう。
道東海域ではマイワシは毎年7~10月に大中型まき網によって獲られています。その漁獲量はそれまで主体であったマサバに替わって1976年から急増し、1983年以降は100万トンを越えていました。しかし昨年は漁期当初の7月は好漁でしたが、8月以降、一転して著しい不漁となり、そのため漁獲量は前年の2割減の88万トンにとどまりました。8月以降の不漁の原因として、
漁獲されたマイワシを年齢別に示したのが、次の図です。これをみると昨年(1989年)、漁獲されたマイワシは、1985年生まれの4歳魚と1986年生まれの3歳魚が全体の8割以上を占めているのが判ります。これらは資源量が多く、1986年の漁期後半から1989年の漁期前半の好漁を支えてきました。その反面、1987年生まれの2歳魚と1988年生まれの1歳魚の若い魚については、昨年の漁獲尾数に占める割合が1割に満たず、資源的に極めて低いものと考えられます。しかし、なぜ、これら1,2歳魚が3,4歳魚に比べて少ないか、その原因についてはまだはっきりしていません。
道東海域ではマイワシは毎年7~10月に大中型まき網によって獲られています。その漁獲量はそれまで主体であったマサバに替わって1976年から急増し、1983年以降は100万トンを越えていました。しかし昨年は漁期当初の7月は好漁でしたが、8月以降、一転して著しい不漁となり、そのため漁獲量は前年の2割減の88万トンにとどまりました。8月以降の不漁の原因として、
- 1,2歳魚の来遊量が少なかった。
- 操業日数が過去最低の69日間にとどまった。
- 水温が例年より高いなど海況条件が好適ではなかった。
漁獲されたマイワシを年齢別に示したのが、次の図です。これをみると昨年(1989年)、漁獲されたマイワシは、1985年生まれの4歳魚と1986年生まれの3歳魚が全体の8割以上を占めているのが判ります。これらは資源量が多く、1986年の漁期後半から1989年の漁期前半の好漁を支えてきました。その反面、1987年生まれの2歳魚と1988年生まれの1歳魚の若い魚については、昨年の漁獲尾数に占める割合が1割に満たず、資源的に極めて低いものと考えられます。しかし、なぜ、これら1,2歳魚が3,4歳魚に比べて少ないか、その原因についてはまだはっきりしていません。
このような状況から今度の漁期は、昨年漁獲の主体を占めた3,4歳魚の生き残りがある程度来遊してきますが、その水準は昨年より低くなるでしょう。また、1,2歳魚は資源量が低く、あまり期待できません。したがって、全体の資源量は昨年より減少するものと思われます。
(釧路水試)
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「後志地域水産試験研究プラザ」開催
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