平成26年8月6日
北海道立総合研究機構 水産研究本部
7月下旬の海況
海域別情報
日本海海域
岩内湾のはるか西方沖に暖水渦(指標:100m層水温8℃以上)があります。このため,対馬暖流(指標:100m層水温6℃以上)は,檜山沖では沿岸寄りを流れていますが,せたな沖から離岸し,暖水渦の西方を流れる蛇行した流路になっています。また,対馬暖流は,石狩湾以北では,本道のやや沖側(東経140度30分)を北上しています。
対馬暖流の流量は例年よりも約3割少なくなっています。
水温は,表面のほぼ全海域で,例年よりも1~2℃高くなっています(水温偏差表参照)。一方,表面よりも下層では,水温は,暖水渦の分布する海域で2~7℃高くなっているのを除き,例年よりも1~3℃低い海域が広くみられます(水温偏差表参照)。
余市における旬平均水温は,7月上,中旬は「かなり高い」でしたが,7月下旬では「やや高い」になっています。
道東太平洋海域
親潮(指標:100m層水温5℃以下)が道東海域を広く覆っています。また,道東沖合の北緯41度,東経145~146度の海域では,黒潮系北上暖水(指標:100m層水温7℃以上)がみられます。
水温は,表面では例年よりも1~3℃高い海域が広くみられ,特に,厚岸沖の観測線上では3~5℃高くなっています。50m層以深では,黒潮系北上暖水の分布する海域を除き,水温は例年よりも1~2℃低くなっています(水温偏差表参照)。なお,黒潮系北上暖水の分布する海域では,水温は例年よりも2~8℃高くなっています(水温偏差表参照)。
道南太平洋海域
津軽暖流(指標:100m層水温6℃以上)はほぼ渦モード(*1)ですが,道東海域からえりも岬を超え道南海域へ流入した親潮由来の水塊(指標:50m層水温5℃以下)が胆振沖の深度50m付近にみられます。
水温は,表面では例年よりも高い海域が多いですが,50m以深に親潮由来の水塊が分布する胆振沖では例年よりも2~5℃低くなっています(水温偏差表参照)。
オホーツク海海域
宗谷暖流(指標:50m層水温7℃以上)がオホーツク沿岸を順調に流れています。
水温は,表面のほぼ全海域で,例年よりも1~3℃高くなっていますが,宗谷暖流の流れる沿岸域の50~100m層では,例年よりも2~5℃低い海域がみられます(水温偏差表参照)。
資料
資料 | 観測期間 | 観測海域 |
---|---|---|
稚内水試(北洋丸) | 2014年7月28日~7月31日 | 道西道北日本海海域 |
稚内水試(北洋丸) | 2014年7月23日~7月25日 | オホーツク海海域 |
釧路水試(北辰丸) | 2014年7月23日~7月29日 | 道東道南太平洋海域 |
函館水試(金星丸) | 2014年7月23日~7月29日 | 道西道南日本海海域 |
水温平面分布図
表面水温
50m層水温
100m層水温
200m層水温
PDF版
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